投打の主役が上り調子! DeNA今永昇太投手(26)が5日、最有力となる開幕投手へ、また1歩前進した。楽天戦(静岡)でオープン戦2度目の先発。5回を92球、7安打3失点。最速146キロの直球を軸に毎回の7三振を奪う力投で、順調な仕上がりをアピールした。また4番佐野恵太内野手(25)がオープン戦初の複数安打となる3安打を放ち、復調の兆しを見せた。

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エース今永が納得の配球でピンチをしのいだ。2回2死満塁、打席には売り出し中の楽天ルーキー小深田。初球に外角111キロカーブで見逃しストライクを奪うと、カウント1-2と追い込んでからの4球目、外角低めいっぱいに144キロ直球を制球し、見逃し三振に仕留めた。

今永 初球のカーブでカウントが取れたのが、彼を混乱させたと思います。置きにいったカーブでなくて腕を振り切ってカウントが取れた。価値ある初球かなと思います。狙って取れた見逃し三振。(最後の直球は)理想のコースと高さにいったので、そこは収穫かと思います。

直球とカットボール主体の左腕だが、随所で意表を突くカーブを初球に配してカウントを整えた。「ほぼすべての球種と、配球パターンを確認できたのはよかった」と納得の表情だ。

課題を着実にクリアしていく。前回登板の2月24日日本ハム戦(名護)は4回1失点も奪三振は2つだけ。「ストレートの球速が出てくれば三振も増えるし、思い描いたピッチングができると思う」と直球の威力アップを課題に挙げていた。この日最速は球場表示で146キロも、数値以上のキレを見せており「今回はしっかり腕を振って三振が取れたので良かった」とうなずいた。

反省も忘れない。5回2死から4連打で3失点し「ああいう点の取られ方は油断という言葉以外ない。オープン戦の段階で逆に良かったと前向きに捉えて、次に生かしたい」と肝に銘じた。順当なら13日からの日本ハム3連戦(札幌)で最終登板し、20日巨人との開幕戦(東京ドーム)に備える見込み。「最後は内容も結果もついてくるのが理想。両方が自分の納得できるように」と今永。開幕へ総仕上げに入る。【鈴木正章】

▽DeNAラミレス監督(今永の投球内容に)「ベリーグッド! いい形でここまできている。7回投げたら10個は三振が取れるペース。(3失点も)まったく心配していないよ」