開幕に間に合った! 腰痛で2月の春季キャンプを途中離脱していた広島松山竜平外野手(34)が5日、教育リーグ・ソフトバンク戦(由宇)に2番一塁でスタメン出場。

佐々岡真司監督(52)が見守った中で、適時打を含む2安打1打点と完全復活をアピールした。6日のオープン戦・西武戦(マツダスタジアム)から1軍に合流することが決定。チームに、頼もしい男が帰ってくる。

    ◇   ◇   ◇

大自然に囲まれた球場に「復活」を告げる打撃音が響いた。6回。先頭の松山は、ソフトバンク加治屋の直球を完璧に捉えた。痛烈な打球は右翼線に一直線に飛んで弾み、松山は悠々と二塁へ到達。完全復活を印象づける一打となった。松山は「状態も悪くない。しっかりボールも見られているし、腰の状態も悪くない。問題ないです」と淡々と振り返った。

佐々岡監督が視察した中で、万全を証明した。3回2死一、二塁では最速160キロ左腕の古谷の直球をしぶとく右前に転がし、タイムリーとするなど、2安打1打点と奮闘。守備でも軽快な動きを見せた。指揮官は、松山について「しっかり振れているし、問題ない。走ることもできていたと思うので、明日(6日)から(1軍に)合流します」と文句なしのGOサインを出した。

オフには松山自身が「若い時以来」という量の振り込みを実施し、春季キャンプに臨んだ。打撃の好調を維持していた中で、2月中旬に離脱。治療に専念し、2軍宮崎・日南キャンプ中の2月27日、プロアマ交流戦・HONDA戦で実戦に復帰。1打席目に3ランを放った。3日の教育リーグ・ソフトバンク戦でも1安打を放ち、復帰後も快音を響かせ続けた。「しっかり打席に多く立たせてもらった。マイナスにはなってない。戻ってもしっかり振れています」と胸を張る。

松山の再合流により、一塁の開幕スタメン争いはさらに激しさを増す。正一塁手について指揮官は「堂林、安部もずっと好調を維持している中で、松山が帰ってきたら『(一塁は)松山に』というわけではない。みんなで最後の最後まで競争してもらいます」と白紙を強調した。中軸候補の復活が、チーム内の「競争」をさらに熱くする。【古財稜明】