オープン戦・静岡シリーズは楽天が中日に3-1で勝利し、連勝を4に伸ばした。

3日に腰の張りを訴え、ここまで出場を見合わせていた楽天浅村栄斗内野手(29)が、1日ロッテ戦以来4戦ぶりに「4番DH」で実戦復帰。 3回にオープン戦14打席目にして初安打となる先制適時打をレフトに放った。休養期間は自身の打撃フォームを動画で確認しながら修正。移籍2年目の主砲が状態を上げてきた。

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早速、結果を出した。3回2死一、二塁で迎えた第2打席。中日先発の小笠原が投じた内角低めの141キロを、少し詰まりながらも左前へ運んだ。オープン戦14打席目にして、初安打が先制適時打。移籍2年目を迎える主砲は「焦りはなかった。結果よりもゲーム勘をしっかりやっていければ」と淡々と振り返る。初回の2死二塁の場面では空振り三振。「1打席目の反省を踏まえて2打席目に入った。インコースにうまく反応できた」と、修正力の高さに変わりはない。

13、18年と2度のパ・リーグ打点王に輝いた主砲を支えるのは、飽くなき探求心だ。映像で自身のフォームをチェックし課題を発見し、実戦で結果を出す。直近を「感じとしてはあまりよくなかった」と感じており、熟考し導いた答えは「トップの位置が浅くなると、ボールとの距離が取れない。球が来ているのに、もう1回距離を取ろうとして無駄な動きが多くなって差し込まれる」。無駄を省き強振して、打点まで付けた。

3日に腰の張りを訴え、出場予定だったDeNAとのオープン戦を欠場。キャンプから順調だっただけに、大事をとった。打撃練習は前日5日から再開。指名打者2打席限定で復帰し、結果も残した。「(腰の張りが)ぶり返しても仕方ない。まだオープン戦なので。感じを見ながらやっていければ」と、オリンピック(五輪)も控える長いシーズンを見据え、自身の体とじっくりと向き合っていく。

昨季は3番が定位置だったが、今季はオープン戦出場全5試合で4番に座る。ただ、求められる役割に変わりはない。「3番も4番も打ったことがある。打順はどこでもいい。とにかく自分の仕事ができればいい」。走者をかえし、1点でも多くチームに還元する。これが浅村の流儀だ。

【佐藤究】