阪神が23日から投手、野手とも同時間に練習を行う「集合練習」を開始することが22日、決まった。

21日までは首脳陣が視察する中で投手、野手を分けての「分離練習」だったが、23日からは投内連係プレーの確認などチームとしての練習が可能となる練習形態となる。新型コロナウイルス感染予防策を徹底しつつ、シーズン開幕に向け、チームの練習強度を上げていく。

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いよいよ甲子園で1軍全選手による練習が始まる。この日、電話による代表取材に応じた谷本修球団副社長兼本部長(55)は「投手、野手と分かれていたところを、連係プレーも含めてやっていくことになるでしょうね。練習の強度を上げていく」と説明した。23日から投手と野手が同時間に練習する「集合練習」がスタートする。

阪神は今月19日から首脳陣が視察する中、甲子園と鳴尾浜の2球場で、午前中に投手が練習し、午後に野手が練習する時間差をつけた形の「分離練習」を行ってきた。1、2軍のメンバー振り分けも行われていなかったが、今後は1軍が甲子園、2軍は鳴尾浜と完全にメンバー振り分けされての練習に移行する。投手、野手が同時間に練習できることで投内連係やサインプレーなどチームとしてのメニューも実施されるとみられる。さらに、日が進めばシート打撃や紅白戦など順次調整の段階が上がっていくともみられ、実戦感覚を取り戻し、きたるシーズン開幕へ備えていく。

1軍がチームとして集合して練習や試合に臨む形態をとるのは3月下旬以来、約2カ月ぶりとなる。3月27日からのチーム活動休止期間に入り、4月15日以降の約1カ月は施設開放による自主練習。もちろん、ここまで慎重に歩を進めてきており、谷本球団副社長はこの日も「(新型コロナ感染予防策は)常にホワイトボードなどに書いて周知している。引き続き外食、会食は禁止です」。今後も新型コロナ対策に全力を尽くすことは変わらないが、シーズン開幕に向けての調整は1歩進む格好となる。

前日21日にはチームが本拠を置く兵庫や、大阪、京都の近畿3府県の緊急事態宣言の解除が決まった。谷本球団副社長は「そこは大きいと思います。開幕が最速6月19日と見えてきてるので。それに向けて準備を進めていくということですね」。日本一へ、準備のステージを上げていく。【松井周治】

<阪神コロナ禍の経過>

◆3月25日 開幕のさらなる延期が決まり、DeNAとの練習試合(横浜)を最後に対外試合は休止に。

◆同26、27日 藤浪、伊藤隼、長坂にPCR検査で新型コロナの陽性反応が出たことが判明。1、2軍とも活動停止に。

◆4月5~8日 入院していた3選手が退院。

◆同15日 甲子園、鳴尾浜を選手に開放し、自主練習の形で活動を再開。福留がオンライン取材で、3選手の感染を謝罪し「我慢した先に、すごく楽しいことがあるようやっていけたら」とファンに語りかけた。

◆同16日以降 練習後に主な選手がオンライン取材に応じ、練習内容や今後の抱負、自宅でどう過ごしていたかなど報告。

◆5月16日 矢野監督がオンライン取材に対応。「20年も矢野ガッツやりまくりま~す」と笑顔を見せた。

◆同19日 自主練習を終了し、午前投手陣、午後野手陣の分離練習をスタート。鳴尾浜で調整していた藤浪も55日ぶりに甲子園で汗を流した。矢野監督やコーチ陣の視察も解禁された。