イヌワシ打線の輪郭が浮かび上がってきた。楽天の5番に座った鈴木大地内野手(30)が、2日からの練習試合16打席目で初安打。打線に火をつけた。
同点の2回の先頭。入れ替わりとなる形でロッテへFA移籍した美馬学投手と、楽天加入後初対決。「見ている方の方が違和感があると思う。僕自身は美馬さんとは去年からずっとやっていますし、違和感なくやれた」と平常心で臨み、内角直球を左翼線へ落として二塁打。後続がつながり、この回4得点と右腕を捉えた。
ポイントは「4番浅村の次打者」だ。鈴木大は練習試合、オープン戦含め今季21試合に出場し、14試合で5番を務める。三木肇監督は「失礼かもしれないが、大地は何でもできる、しぶとい。勝負強さを持っているし、つなぐ打撃もできるし選球眼もいい」。昨季得点圏での出塁率は4割6厘、走者なしでも3割5分4厘と高水準。「打順は全然意識していない。場面によってやるべきことは違う」と柔軟な対応を心がける。
骨格が固まるほど、相手投手への脅威は増す。2日からの練習試合6試合で、得点は12球団トップの36。1番に茂木、2番にブラッシュが4度入っている。パンチ力のある出だしから3、6~9番は試行錯誤を重ねる。「みんながそれぞれ持ち味を出せるような形がないかな、と考えている」と指揮官。選手の状態、相手との相性などを巡らせ、答えを追求している。
開幕まで残り6試合。総仕上げに入る。三木監督が「選手の編成、人選的にもいろいろなことを考えてないとダメな時期」と言えば、鈴木大も「条件はどのチームも一緒。腹くくってやっていく」と力を込める。限られた時間で最善を尽くす。【桑原幹久】
◆楽天の練習試合打順変遷
・6月2日DeNA浜口(左)
1 茂木(左)
2 鈴木大(左)
3 ウィーラー
4 浅村
5 ブラッシュ
6 ロメロ
7 島内(左)
8 銀次(左)
9 太田
・3日DeNA上茶谷(右)
1 茂木(左)
2 ブラッシュ
3 島内(左)
4 浅村
5 鈴木大(左)
6 ロメロ
7 銀次(左)
8 辰己(左)
9 太田
・4日DeNA坂本(左)
1 茂木(左)
2 ブラッシュ
3 島内(左)
4 浅村
5 鈴木大(左)
6 藤田(左)
7 銀次(左)
8 山下(左)
9 辰己(左)
・5日ロッテ小島(左)
1 茂木(左)
2 ブラッシュ
3 ロメロ
4 浅村
5 鈴木大(左)
6 下水流
7 内田
8 太田
9 辰己(左)
・6日ロッテ石川(右)
1 山崎幹(左)
2 ロメロ
3 島内(左)
4 浅村
5 銀次(左)
6 ウィーラー
7 山下(左)
8 渡辺直
9 小深田(左)
・7日ロッテ美馬(右)
1 茂木(左)
2 ブラッシュ
3 辰己(左)
4 浅村
5 鈴木大(左)
6 ロメロ
7 銀次(左)
8 太田
9 山崎幹(左)
※(左)は左打ち