阪神タイガース親会社の阪急阪神ホールディングスの株主総会が17日、大阪市北区の梅田芸術劇場で開かれ、藤浪晋太郎投手(26)ら球界初の新型コロナウイルス感染者を出したことを“陳謝”する場面があった。

質疑応答でマイクを握った中年の株主男性は、新型コロナウイルスに感染した藤浪について言及。「藤浪君は悪くない。周りがチヤホヤさせすぎや。虎風荘入れといたらそんなことにならん。タクシーの運転手もよく言うてます。『背高いから目立つんや』って」と苦言を呈した。藤浪ら3選手は3月に大阪市内での会食に参加し、結果的にその場にいた複数の女性からも感染者が出た。感染拡大が叫ばれるなかでの行動に疑問符がついた。

阪神電鉄の百北幸司常務取締役は「株主の皆様、ファンの皆様に多大なご心配をおかけしましたことを改めまして、この場を借りておわび申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」と謝罪。「プロ野球人、社会人としての自覚を強く促して厳しく行動措置を講じるべきだったと思います」として「選手は深く反省して、結果で取り返したいと言っている。今後の活躍を応援していただきたい」と頭を下げた。

また、同株主は「今年(昨秋ドラフトで)は高卒の子をいっぱい取った。大事に大事に育ててほしい」とお願い。昨秋のドラフトで獲得した西純矢投手(18=創志学園)や、井上広大外野手(18=履正社)ら高卒新人5人の育成について要望した。

また、別の株主男性からは2年前に球団スタッフが盗撮の疑いで逮捕された件を持ち出し、球団幹部による謝罪を求める場面もあった。

今年の株主総会はコロナウイルスの感染リスクを避けるため、インターネットによる議決権の行使を推奨。出席者は昨年の3150人よりも2855人少ない295人だった。質疑応答では13人の株主から17件の質問があり、阪神球団に関するものは3件だった。【桝井聡】