7年ぶり日本一へ、楽天の戦いが明日からいよいよ始まる。チームは18日、開幕の舞台となる京セラドーム大阪で最終調整を行った。

3年前のシーズンも同じ敵地で開幕を迎え、オリックスに3連勝を飾っている。昨季は2軍監督としてイースタン・リーグ優勝に導き、今季は1軍で指揮を執る三木肇監督(43)の采配にも注目が集まる。決戦前、オンラインでの取材に応じ、現在の心境を語ってくれた。

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顔つきは、普段と変わらない。時折マスク越しに笑みを見せ、身ぶり手ぶりで助言を送り、鋭い視線をグラウンドへ送る。新任の三木監督が、大阪で迎える初陣へ体制を整えた。

三木監督 いろんな思いがある。一言では表現できない。正直、選手への期待、ファンのみなさんにどういうものを届けられるかなという思いもある。不安やいろんなドキドキ感もしっかり力に変えて臨みたい。

チーム一丸で幕開けまでたどり着いた。就任直後の昨秋キャンプから意識改革に出た。実戦形式の練習をふんだんに盛り込み「1点を守り、1点を奪う野球」を染みこませた。

ただ「やるのは選手」と口を酸っぱくした。押しつけではなく、選手自ら考え、万事に備えさせる。「選手の大切な1シーズンを僕が監督として一緒に戦う。選手が頑張れる環境を作れるように、選手の力に少しでもなれるように」。主力、ベテランはもちろん、2軍監督の経験も生かし若手とも密にコミュニケーションを図った。だからこそ、こみ上げる自信がある。

三木監督 いろんなことをチャレンジして選手たちと一緒にやってきたので、僕自身も失敗を恐れずに思い切ってやりたい。プロなので失敗は許されないこともいっぱいある。だけど、そこにびくびくしていても新しいことも見つかりませんから。1つ大事なのはそこに裏付け、根拠をもってやっていくこと。明日は特別な日になると思う。そのことを胸に戦いたい。

チームは大型補強を敢行。投打に充実し前評判は高いが「野球をチームとしてやる中でゴールはないし、満足できることなんか1つもない。他の5球団も力がある。そんなに簡単には勝てない。強い相手だからこそ立ち向かって、力を出せるように戦いたい」と挑戦者であることを自らに言い聞かせた。開幕延期に過密日程…。これから待ち受ける幾多の困難。それでも頂へ立つために、青年指揮官が確信の1手を打ち続ける。【桑原幹久】