父の日に「ラミレスチルドレン」大活躍! アレックス・ラミレス監督(45)率いるDeNAが21日、広島3回戦(横浜)で今季初勝利を逆転サヨナラで決めた。相手の先発ルーキー森下に7回まで苦しめられたが、0-1で迎えた9回に3番手スコットを攻め、無死満塁から6番宮崎敏郎内野手(31)が右中間にサヨナラ二塁打を放った。期待の先発、平良も6回1失点と好投。土壇場で投打がかみ合った連敗脱出劇を浮上のきっかけとする。

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9回無死満塁、宮崎の打球が前進守備の右中間を破った。2者がかえり逆転サヨナラ。連敗のトンネルから抜け出したラミレス監督は両手でガッツポーズ。エルボータッチを交わすナインに拍手を送ると、今季初の“勝利監督インタビュー”で声を張った。「まず初めに、すべてのお父さま方に『おめでとうございます』と言いたい。ファンの皆様も、今日の勝利を父の日と一緒にお祝いしてもらえればと思います!」。

“想定外”の状況で勝利をつかんだ。開幕前、評論家の下馬評が高く「1番から6番まで非常に強力。リリーフもいい選手がそろっていて、自分が解説者でフラットに見ても、DeNAはかなりいいんじゃないか」と“自画自賛”するほどだった。だが、ふたを開けてみれば強力打線の目玉となる新外国人オースティンが右肘の張りで3試合連続のスタメン落ち。打順は3試合とも日替わりとなった。好調だった中継ぎ陣も打ち込まれ、2試合連続逆転負け。敗れれば、開幕6連敗を喫した09年以来の開幕3連敗という状況に追い込まれていた。

土俵際で「ラミレスチルドレン」がしぶとく役目を果たした。早くから開幕ローテ入りを伝えていた先発の平良が6回を5安打1失点でゲームメーク。9回は教え子ソトが反撃の口火を切り、新キャプテンに抜てきした佐野も「つなぎの4番」としてチャンスを広げた。就任後にレギュラーに据えた宮崎は「なんとか連敗を止めようという気持ちでした」と勝負を決めた。チーム一丸での勝利にラミレス監督は「平良が非常にいいピッチングをしてくれて、リリーフもいい仕事をしてくれた。こういう勝利が我々には必要でした」と胸をなで下ろした。

試合前の自宅では、家族でパンケーキを食べて「父の日」を祝福。子どもたちからは絵を描いてもらったといい「特に長男のケンジくんが一生懸命やってくれて『パパ、これ描いたよ!』って見せてくれたんだ」と目尻を下げた。公私ともに“チルドレン”と充実の父の日を過ごした指揮官。「デー・バイ・デー」(1日ごとにの意)でチームの戦力を整え、反撃態勢に入っていく。【鈴木正章】