ソフトバンク工藤公康監督(57)が、「分離作戦」で23日からの西武6連戦(メットライフドーム)に挑む。新型コロナウイルス感染拡大による開幕延期で生まれた今季特有の6連戦を「3連戦+3連戦」に分割し、それぞれ勝ち越しに集中して戦う姿勢を打ち出した。東浜と新外国人左腕ムーアが「3連戦」の初戦に先発。2人を軸にした先発ローテーションで、6戦4勝2敗をイメージし、まずは宿敵レオに挑む。

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ソフトバンクの指揮官が、初体験を「シンプル」に乗り越える。プロ野球は23日から異例の同一カード6連戦の連続日程がスタート。工藤監督は22日、ペイペイドームでの投手練習を見守り「6連戦はどうなるか、イメージはわかない」としながら、工藤流の考え方を明かした。

工藤監督 シンプルに考えて、3連戦と3連戦で6連戦。まずは最初の3連戦で勝ち越しを狙う。そして4戦目からの3連戦でまた勝ち越しを狙う。選手への声かけとしては、そう言おうと思う。選手からしても分かりやすいと思う。

同じ相手と6連戦を戦う。予想がつかない中でも、シンプルに2分割して3連戦を戦うつもりだ。「前半3連戦」の初戦、23日先発はムーア、そして「後半3連戦」の初戦は開幕投手の東浜。工藤監督は常々「今季この2人が軸になって、先発陣を引っ張っていってもらいたい」と話している。その2人がそれぞれ、3連戦のアタマに先発。ムーアから石川、バンデンハーク、そして東浜、和田、二保とつなげる。「東浜も和田も初戦の内容は良かった」と手応え十分なだけに、3連戦勝ち越しを続けての「6連戦4勝2敗ペース」を狙う。

西武にはここ2年、リーグ優勝をさらわれている。開幕カードの日本ハム戦で西武打線は爆発しなかっただけに、ソフトバンク戦に向けて気合を入れ直すことは予想される。「いろいろと6連戦の投手継投のシミュレーションはしている」と最大の防御で立ち向かう。「戦っていく中で、いろんな情報を処理してやっていくことも大事だと思う。6連戦やってみて、思うこともあるだろう」。開幕カードはロッテに負け越した。まずは最初の「3連戦」に集中し、敵地から巻き返しを図る。【浦田由紀夫】

◆同一カード6連戦 公式戦で連続6日以内の同一カード6連戦は88年10月9~13日、近鉄とロッテが藤井寺、川崎で各3試合を5日間で行って以来になる。当時の近鉄は優勝争いで勢いづき、ロッテに全勝して「6タテ」を食らわせた。同一球場の主な連戦では56年9月4~6日に近鉄-東映(藤井寺)が3日連続ダブルヘッダー、57年10月11~17日に西鉄-東映(平和台)が7日間で9連戦を行っている。なお、CSファイナルでは同一球場6連戦が14年ソフトバンク-日本ハム(ヤフオクドーム)など3例ある。