ロッテ美馬学投手(33)が1発に泣いた。4回まで1失点と粘ったが、5回に楽天浅村に手痛い3ランを浴びた。昨オフ、楽天からFA移籍で入団。古巣との公式戦初対戦は、黒星に終わった。

試合前、グラウンドに入るとすぐ、近くにいたグラウンドキーパーに丁寧に頭を下げた。慣れ親しんだマウンドで、しっかり足場を掘り、軸足を固めて強い球を投げていった。失点のきっかけには、不運な当たりが多かった。「あまり点を取られた感じはしないけれど、結果、取られていた感じです」と振り返り、そうなった投球に「最悪です」と声を落とした。

1回1死一、二塁。4番浅村を遊飛に打ち取り、通算1000投球回に到達。笑顔で小さく「2アウト」のしぐさを周囲に示した。「ここまで積み上げられたことは良かったなと思っています」と振り返った。区切りの記録を祝いたかったが、正式達成には試合成立が必要だった。5回裏、手痛い3ランを浴びた直後に、1000投球回到達を紹介する場内アナウンス。苦い思い出も糧に、ロッテ美馬として頼もしく投げていく。【金子真仁】

▼通算1000投球回=美馬(ロッテ) 5日の楽天6回戦(楽天生命パーク)の1回、浅村を遊飛に仕留めて達成。プロ野球357人目。初投球回は楽天時代の11年4月13日のロッテ2回戦(QVCマリン)。