冷静さを失わぬ姿に、エースの風格が漂った。オリックス山本由伸投手が7回4安打2失点と好投し、今季2勝目を手にした。

「力まず、冷静に投げることができた。場面に応じたピッチングができるように心掛けて投げました」。昨季は西武戦3試合に先発し2勝0敗、防御率0・37と封じ込めていた。相性抜群の山賊と今年初顔合わせ。最速155キロの直球を軸に力でねじ伏せ、ほぼ仕事をさせなかった。

変調も苦にしない。6回に史上11人目の1イニング3死球で招いた満塁のピンチも「コントロールがつかなかったわけではない。良いバッターだったので(内角を)厳しくという気持ちがあった」と落ち着いて無失点で乗り越えた。7回の失点でメットライフドームでは通算9試合目、29イニング目で初めて自責がついたが「粘り強いピッチングができたので成長かなと思う」と胸を張った。

チームは今季初の連勝。昨季リーグ王者との6連戦に3勝2敗1分けで勝ち越した。「もっと勝ちを増やせるように、チーム一丸となって頑張っていきたい」。21歳右腕の快投が、逆襲の合図だ。【真柴健】

▼1イニング3与死球のプロ野球タイ記録=山本(オリックス) 5日の西武6回戦(メットライフドーム)の6回に山川、中村、木村に死球を与え記録。17年6月30日青柳(阪神)以来11人目で、パ・リーグ7人目。また、7回に再び山川に死球を与えて計4与死球。オリックスでゲーム4与死球は、阪急時代の80年9月17日谷村、03年5月17日徳元に次ぎ3人目の球団タイ記録。