阪神が4連勝で5割に復帰し、3位に浮上しました。虎のデータを深掘りする、スカイAの人気番組「虎ヲタ」出演中の日刊スポーツ高野勲記者は、打撃不振の続く外野陣が今後のポイントと考えます。外野手でスタメン出場した選手の合計打率は、セ・リーグ最低。このポジションの選手たちが本領発揮で打力をアップさせれば、4・5差の首位巨人も十分射程圏です。

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首位争いをうかがう阪神に強く求められるのは、外野陣の打撃復調だ。今季スタメン出場した外野手の合計打率2割3分はリーグワースト。打撃力を求められるポジションとしては、寂しい数字といえる。

中でも新人イヤーに大活躍した2人の本領発揮が待ち遠しい。昨年長嶋茂雄超えでセ・リーグ新人最多の159安打を放った近本は、打率1割8分2厘の低空飛行が続く。16日ヤクルト戦ではプロ入で2度目の代打を送られ、17日中日戦ではついにスタメン落ち。19日の中日戦で2安打し、ようやく薄日が差してきた。この勢いを続けられるかが今後のポイントになる。

4年前の16年に当時の球団新人最多136安打を放った高山は、代打なども含めて16打席ノーヒットで出場選手登録を抹消された。レギュラーを奪い返す意気込みでキャンプから好調だっただけに、1日も早い復調が待たれる。

期待のレギュラー候補たちも、なかなか「候補」の2文字が取れない。16年に4試合連続本塁打の江越は、もっぱら代走と守備固め。打席に立ったのは、7月4日広島戦で代走から左翼に入り、回ってきた8回に二飛に倒れた1度だけだ。17年チーム最多の20本塁打を放った中谷は、今月16日まで2軍暮らしで昇格後も3打席3三振。長打力持つ右打者2人がポジション争いに割って入れば、チームもより活気づく。

19日の中日戦では、球界最年長43歳2カ月の福留が今季初猛打賞&4打点の大暴れで5割復帰と3位浮上をけん引。左翼に定着したサンズも安定して力を発揮し、ポイントゲッターとなりつつある。外野陣が高いレベルの競争を繰り広げ、力強く打線をけん引すれば、首位巨人の背中が近づく。【記録室・高野勲】

◆虎ヲタ~知ればアナタも人気者~ 阪神タイガースをデータから読み解く、新感覚の野球情報番組。ファン目線のトリビアなものや、日刊の記者が持ち込みで紹介するここだけの硬派なネタで、阪神を徹底分析する。増田英彦(ますだおかだ)関本賢太郎(阪神タイガースOB)高野勲(日刊スポーツ記者)がレギュラー出演。8月号は「夏のロード特集」。放送予定はスカイAのホームページで。