ロッテ安田尚憲内野手(21)が、故郷の大阪に錦を飾る時が来た。

4日からのオリックス6連戦(京セラドーム大阪)を前に、8月の球団公式ポスターに起用されることが決定。「夏に燃える男になれるように頑張りたいです」と意気込んだ。井口監督は今後しばらくの4番起用を明言しており「4番サード安田」で夏を戦う。

開幕1軍スタートも、打率は一時期、0割5分まで落ち込んだ。「なかなか打てなくて、いろいろ考えたり悩んだりもしました」。頼れる先輩たちに救われた。あこがれの鳥谷からは「プロ野球は次もある」と、マーティンからは「自信のない姿を見せるな」と金言をもらい、必死にもがきながら、打者としての引き出しを増やしてきた。

井口監督も「時には我慢が必要」と、不振でも2軍に落とすことはしなかった。「今年は何とか、安田をいい形で使ってあげたいというか、上のレベルに合わせていかなくちゃいけない選手だと思っているので」。一時期、荻野とマーティンで組んだ1、2番の出塁率が高く、彼らを生還させる役割として、21歳の安田を抜てきした。

履正社(大阪)からドラフト1位で入団し、3年目を迎える。打率は2割3分5厘とまだ低い。ただ、4番に座ってからの12試合は3割4分1厘。期待に応えている。相手の攻め方の変化は「今はそこまで感じていないです」と言う。ヤクルト村上、日本ハム清宮と同世代の強打者として注目されるが、今はまだ目の前のことに必死だ。「自分は、実力でつかみ取った4番ではないと思うので、1打席1打席をしっかり必死にやっていきたいです」。

京セラドーム大阪はプロ初安打を放った球場で「イメージはあまり悪くないです」と言う。「両親や友達ももしかしたら見に来てくれるかもしれないので、いいところを見せられたらなと思います」。チームは現在勝率5割の3位。好相性の相手との“大坂夏の陣”で再び勢いづけるか-。幕張のゴジラが、堂々と攻め込む。【金子真仁】