4日ヤクルト戦(神宮)に先発する広島九里亜蓮投手(28)が“魔の火曜”突破へ意欲を示した。3日、東京・神宮軟式球場で行われた投手練習に参加し、キャッチボールやダッシュで調整。チームは今季火曜日は4戦4敗で、12球団で唯一白星がない。5日の先発は野村祐輔投手(31)、6日はクリス・ジョンソン投手(35)が務める見込み。7カードぶりのカード勝ち越しへ、最下位から脱却を目指す。

     ◇     ◇     ◇

梅雨明けの強い日差しが照りつける中、九里のサングラスの奥の目は燃えていた。決戦の地・神宮球場に隣接する軟式球場で、キャッチボールやダッシュを入念に行い、臨戦態勢を整えた。右腕は「週の頭ですし勝ってチームに勢いがつくのが一番だと思う。チームが勝ちに向かうような投球をしたい」と力を込めた。

今季、チームは火曜日の敗戦が続いている。4戦4敗で12球団で唯一勝利がない。カード頭だけに、流れを呼び込むためにも大事な試合だ。九里自身も今季初登板で初勝利を飾った6月24日以後、4試合で勝ち星なし。2勝目を気合でもぎ取り、“呪縛”を解消するしかない。

前回登板の7月28日中日戦(マツダスタジアム)はチームは敗れたが、7回4安打1失点と力投した。右腕は「前回もリズムというよりは、1人1人としっかりゾーンの中で勝負しながらというイメージで入った。そこは変えずにやっていきたい」と勝利への手応えをつかんだ様子だ。7月2日のヤクルト戦では2被弾を含む5回4失点と苦しめられただけに「前回神宮でやられた。しっかりやり返せるようにやりたい」と闘志を燃やした。

5日の2戦目は経験豊富な野村が先発を務める見込み。前回7月29日中日戦(マツダスタジアム)では8回4安打無失点の快投で356日ぶりの復活星を挙げた。2試合連続クオリティースタート(6回以上投げ自責点3以下)と安定感を誇る。「先頭打者を出さないことを継続して、自分のリズムに持っていけるように。もっとストライク先行でいきたい」。今季初対戦のヤクルトの印象については「粘ってくる打者もいるので、根負けしないことも含め、自分の投球をしたい」と攻めの姿勢で挑む。

チームは現在最下位。6カード連続で勝ち越しがなく、借金が増えるばかりだ。チーム浮上に向けて野村は「1人1人が自分のできることやるべきことをやることだと思います」と引き締めた。燕狩りで久々の勝ち越しを決め、最下位からの逆襲ロードを突き進む。【古財稜明】