起死回生の1発から、ロッテが延長逆転サヨナラ勝ちで首位タイに立った。2点を追う延長10回は併殺で2死。負け目前の走者一塁だ。マーティンがフォークをかち上げた。右翼席最上部への14号2ラン。「きっとチャンスでくると思っていた。シーズンは長いけど、ロッテができるってことを見せたい」。一振りを劇的勝利につなげた。

突き放されては追いつくを繰り返し、追い越した。2日連続の延長戦。連投中の守護神益田を休ませた結果、フローレスが勝ち越しを許した。だがマーティンから安田、井上がつなぎ、最後は39歳が激走した。

鳥谷が21歳安田の代走に立っていた。相手バッテリーの暴投で二塁から猛チャージ。右手から本塁に突っ込んだ。井口監督が「投手の位置やタッチをしっかり見てくれた」という技ありの走塁。ホームへ羽ばたくように生還したベテランを、まるで優勝したかのようなテンションでナインが出迎えた。ブルペンから投手陣も駆け付けていた。

1分けを挟み3連勝。首位は7月3日以来。8月に限れば10年8月28日以来10年ぶりだ。指揮官は「気迫が伝わる、いい試合だった」と全員をたたえた。疲れが報われた。【鎌田良美】

ロッテ鳥谷(延長10回2死一塁で代走。同一、二塁となり好走塁で生還)「ベストを尽くした結果が勝利につながって良かったです」

ロッテ安田(7回に一時同点に追いつく4号ソロ)「力が抜けていいスイングができたと思います」