日本ハムが今季2度目の4連勝で6月26日以来の3位タイに浮上した。2回にクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(29)が先制の決勝3号3ラン。前夜はスクイズの際に“フライングスタート”で激走を見せたが、この日は打った瞬間に確信して歩き出す豪快弾。貯金は今季最多の3となり、8月の月間勝ち越しも決定。日本ハムの勢いが本格化してきた。

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「激走」ではなく、本来の「パワー」で価値ある得点を生んだ。2回1死一、二塁。ビヤヌエバが、西武榎田の138キロ直球をジャストミートし、確信した。「ホントニ、キモチイイ!」。手応え十分の打球は左中間席へ着弾。豪快な1発の余韻に浸りながら、時間をかけてダイヤモンドを一周した。ベンチでは恒例の「カメラ目線パフォーマンス」を横尾がスタンバイ…が、再昇格2日目で“流行”を知らなかった助っ人はスルー。これはこれで、ベンチは盛り上がった。

24時間前とはひと味違う、本来のパフォーマンスにご満悦だ。前夜も同じ2回に勝利に貢献した。三塁走者だった助っ人は早すぎる“フライングスタート”を切り、中島のスクイズで生還。暴走と好走は紙一重-を体現したが、足は必要のない完璧なアーチに「本当にチームの雰囲気がいい。プレーすることが楽しいよ」と2日連続で、笑みがはじけた。

ビヤヌエバが火を付けた打線は3回、西川の10試合連続安打や大田の中前適時打など、2死無走者から4得点。開幕からレギュラーを張る主軸たちが力強く加点し、試合を決めた。

8月は13勝7敗1分けとし、4試合を残して今季初の月間勝ち越しが決定。貯金も今季最多の3に積み上げ、敗れた楽天と並び2カ月ぶりに3位タイに浮上した。栗山監督は「それは関係ないでしょ。関係ない。優勝を目指しているんだから。3位なんて、ダメでしょ」と言った。近藤を故障で欠いた4試合を、主力と戻ってきた助っ人の活躍などで全勝。さらなる上位浮上へ、日本ハムが勢いを増してきた。【木下大輔】

◆HRカメラ目線パフォーマンス 日本ハムで初めて行ったのは、近藤の2号ソロが飛び出した8月7日西武戦(札幌ドーム)での矢野コーチ。定着したのは13日ロッテ戦(ZOZOマリン)横尾の2号ソロからで、22日楽天戦(札幌ドーム)では、20号を放った中田を迎えるべく、ベンチ内の矢野コーチがカメラ目線をする選手を“手配”する様子がカメラに捉えられていた。杉谷や宇佐見ら各選手が日替わりで行っていたが、矢野コーチはこの日、9回渡辺の5号ソロで2度目の登場。なお元祖はヤクルト上田とされている。