キャプテンは諦めない! 右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折を乗り越えた阪神糸原健斗内野手(27)が、スタメン復帰即、攻守に大奮闘した。

「2番二塁」で7月22日の広島戦以来、47日ぶりに先発。2点を追う9回先頭で、巨人デラロサの初球151キロ直球を左翼ポール際へ運んだ。「良い形で打つことができた」。今季3号は反撃のソロアーチ。1点差に詰め寄り、同点、サヨナラの夢を抱かせた。

7回の第3打席では、変則左腕高梨の内角スライダーを右前へ。その後ボーアの適時内野安打で1点目のホームを踏んだ。2安打1打点2得点。矢野燿大監督も「どこに(打順を)入れてもチームに貢献してくれる選手。健斗の仕事をしっかりやってくれてると思います」と敗戦の中で輝いた主将をたたえた。

守備でも魅せた。8回1死満塁のピンチで、亀井の内野ゴロを好捕すると迷わずホームへ送球。三走の吉川大を封殺し、4点目を防いだ。2軍でリハビリ中、バットを持てない日々に守備練習だけは毎日怠らずに取り組んできた。打って守って存在感を出し、完全復活を印象づけた。

糸原 けがした時から、リハビリ中もずっと支えていただいたトレーナーの方々や、自分に携わってくれたすべての方々のおかげで、グラウンドに立つことができている。すごく感謝しています。

4日に1軍復帰し、初のフル出場。久々の声援に「待ってくれていたファンの方々にもすごく励まされ、今日の試合の応援も含め本当に感謝しています」。8・5ゲーム差から奇跡の逆転へ。まだ54試合ある。胸に「C」マークを付けた、頼れる男がネバーギブアップでチームを引っ張る。【只松憲】