「セ界2冠王」も本当に夢じゃない! 阪神ジェリー・サンズ外野手(32)が仰天の特大弾で2連勝を呼び込んだ。

1回は左腕床田から右前に先制打。2点リードの6回無死、今度は右腕菊池保からチーム単独トップとなる18号ソロを放った。ストレートを2球連続でファウルした後、フルカウントからの7球目。「あのカウントからは厳しいコースに投げにくい」。甘く入ったスライダーを狙い打ちして、バックスクリーン左の中段席まで届かせた。

前日10日DeNA戦は逆転2ラン。2番に梅野を起用した新打線でも4番はもちろん「チーム3冠王」で不動だった。この日は3安打2打点。9月は10戦6発となり、ついに打率は3割に乗った。本塁打はリーグトップの巨人岡本に1本差、53打点もリーグ最多の岡本に3打点差まで迫った。

「今はしっかりコンタクトして、それがたまたまホームランになっている。今のスタイルを変えずにそのまま続けていきたい」。本人は至って冷静だが、阪神では86年バース以来となる本塁打王、14年ゴメス以来となる打点王の両取りも可能なポジションにいる。

今季はすでに甲子園で賞金100万円の「ユニ・チャーム バックスクリーンホームラン賞」を2度贈られている。「(今日も)バックスクリーンを狙っていたけど、少しそれちゃったね」。ジョークで笑わせた後は「センターに強い打球を打つことをいつも心掛けている。それが形になって良かった」と納得顔だ。勢いは当分、止まりそうにない。【佐井陽介】