ロッテ中村奨吾内野手(28)が値千金の決勝打を放った。6回2死一、三塁。オリックス山岡のカットボールを中前へ転がした。

山岡を相手に、チームは5回まで無安打に封じられた。「変化球もいいですし、直球が今日はちょっと動いていたというか。そういうボールが多かったかなと思います」。自身も2打席連続で空振り三振だった。

山岡の代名詞、タテのスライダーは5回まで約36%の比率で投げ込まれた。それが6回無死一、二塁のチャンスでは、一気に比率を増やされた。3番菅野、4番安田の左打者2人に対し、投球の約62%がタテのスライダー。決め球にも選ばれ連続空振り三振。中軸2人をねじ伏せられ、流れは山岡にあった。

5番中村奨もカットボールを多投され、追い込まれる。連続三振の残像があってもおかしくない場面ながら「こういう場面で回ってきたら、割り切っていくしかないと思っているので。何とか当たってくれて思って振りました」。4球目のカットボールに食らいつくと、好投の中村稔を助ける待望の先制点につながった。【金子真仁】