前人未到の偉業と同時に、自身のメモリアルを飾った。巨人菅野智之投手(30)が、7回3失点で04年の近鉄岩隈(現巨人)を超える史上初の開幕投手からの13連勝を達成。昭和、平成、令和と紡がれたプロ野球史に新たな歴史を刻むとともに、平成生まれ初の通算100勝目を挙げた。阪神が引き分け、優勝マジックは「16」。チームも、エースもリーグ連覇へと白星を重ねる。

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◆13年4月6日中日戦(プロ初勝利をマーク)

「今は『原監督のおい』と言われますが、いつか『自分の伯父さんが原監督』と言われるようになりたい」

◆14年3月28日阪神戦(自身初の開幕投手で7回4失点で白星)

「今日のピッチングじゃ、開幕投手に選んでくれたスタッフの方、ファンも納得してくれない。これからが重要になる」

◆14年5月5日中日戦(祖父貢さんが救急搬送された直後の一戦で勝利)

「変なピッチングをしたら、じいちゃんに怒られる」

◆14年9月26日DeNA戦(日刊スポーツ優勝手記)

「敷かれたレールを走り抜けるしかないんだ。この家庭に生まれた僕にしかできないんだから」

◆15年8月20日阪神戦(藤浪に投げ勝ち)

「藤浪君、マエケンさん(広島の前田健太)との投げ合いが多い。自分を育ててくれている。感謝しながら投げている」

◆15年9月22日阪神戦(7回無失点で3年連続2ケタ勝利)

「課題を見つけていかないと、進歩はないと僕は思うんです」

◆16年4月22日DeNA戦(足をつりながら7回無失点)

「肘や肩なら難しいですが、骨さえ折れていなかったら大丈夫」

◆17年5月23日阪神戦(球団4番目の早さとなる109試合で50勝)

「勝ちは自分の力だけではどうにもならないもの。チームに感謝したい。そして、自分を見つめ直して、もっと勝てるようにしたい」

◆17年6月13日ソフトバンク戦(球団ワーストの本拠地連敗を8で止め)

「世の中には、言ってできなかったら恥ずかしいという風潮がありますよね。でも、僕は思ってることを口にすることでプレッシャーに感じる選手であることの方がもっと恥ずかしいと思うし、それが自分を高めることにもなる」

◆18年10月4日広島戦(今季限りでの退任を発表した高橋監督に)

「誰かのために投げようと思ったことはあまりないですけど、今日はしっかり監督のために投げようと思いました」

◆19年5月1日中日戦(12球団最速で令和に改元後初勝利)

「もっともっと記録を残して、次の時代に初勝利を挙げた人が『菅野は令和で最初に勝った人だよ』と言ったら、ピンと来るような成績を残したい」

◆19年10月21日(腰痛から復帰するソフトバンクとの日本シリーズを前に)

「投げたら動けないくらいの覚悟で投げたいです」

◆20年8月18日阪神戦(今季初の中5日で勝利)

「中5日ぐらいでヒーヒー言ってたら、先発は務まらないと思うので大丈夫です」

◆20年9月29日広島戦(球団新記録の開幕投手からの12連勝を達成)

「1回負けてしまうと記録が止まってしまう。毎回意識しながらマウンドに上がるのは意外としんどいですけど、そういう期待に応えるのもプロ野球の醍醐味(だいごみ)」