ソフトバンクが27日、3年ぶり19度目のリーグ優勝を果たした。

将来性を見込んだソフトバンクの編成力が花開いた年だった。大型補強による優勝という印象は薄い。攻撃陣では栗原、周東ら若手が台頭。栗原は打力を高めて本来の捕手ではなく外野と一塁のレギュラーをつかんだ。14年ドラフト2位の入団で、この年の1位は松本、4位が笠谷。いずれもプロ6年目。成長した高卒トリオは優勝に貢献した。

昨年までドラフトは3年連続で大型野手を1位指名してクジに敗れたが、その前に獲得した「金の卵」たちが血肉を付け、戦力に育った。永井智浩編成育成本部長は「将来性を考える補強と埋めないといけない部分を埋める補強がある」という。気付けば、エース千賀と正捕手の甲斐に加え、二塁手を勝ち取った周東、オールラウンドに守る牧原は育成出身。1軍定着までもう少しの右腕尾形、強打のリチャードと育成上がりの「卵」はまだまだいる。

球界屈指のファーム施設を新設して5年。指導体制も骨太になり「雁の巣産」から「筑後産」となって養成の速度と密度はアップ。勝利と育成を同時に求めた投資で、両得できている。選手の発掘では、今年から球団会長付特別アドバイザーに就任した城島健司氏が、GM的な観点でアマ野球も視察している。王球団会長を含めた幅広い目があるのもまた、ホークスの強みになっている。