ソフトバンク工藤公康監督(57)は、ドラフト1位指名の花咲徳栄・井上朋也内野手(3年)に「ポスト松田宣」を期待した。近大・佐藤の「外れ1位」となったが、「3拍子そろった能力の高い三塁手。うちのタイプでいえば松田宣のように、鋭い打球でホームランも打て、将来うちの中軸を打ってくれるスケールの大きい選手になってほしい」と高く評価した。

チーム方針として野手補強で臨んだドラフトだった。高校生内野手の1位指名は、09年今宮以来となる。「うちの内野手は年齢も上がっているし、できる限り大きく育てたい」。即戦力ではなく将来性豊かな素材を選んだ。

2位には193センチの長身で投手もできる高校通算40本超の横浜商・笹川、3位は打てる捕手の日大藤沢・牧原を指名するなど高校生野手中心の補強だった。「スカウトのみなさんがしっかりと見て選んだ選手たち。1軍で早く出られるように、日本を代表するような野手を育てていきたい」と指揮官も言葉に力を込めた。

王球団会長も1位井上には「前々から非常にいい選手だと聞いていた。これからのホークスを支える選手になってくれればと期待している」と成長に期待。さらに「捕手は大事な補強ポイントだと思っていた。プロに入ってからの彼らの成長と活躍が楽しみ。いいドラフトになったと思うよ」と手応え十分だった。指名した5人すべてが高校生。3年ぶりのリーグ優勝へマジック2としている一方で、次なる世代の戦力補強を着々と進めた。【浦田由紀夫】