ソフトバンクが3年ぶりにリーグ優勝を奪回した。マジック2で迎えた2位ロッテとの直接対決を制し、1リーグ時代を含めて21度目の優勝。昨季まで終盤の失速で西武に連覇を許したが、10月に入り15年ぶりの12連勝で加速した。新型コロナウイルスの影響を受けたシーズン。6年目の工藤公康監督(57)はコンディション、データ重視の采配で雪辱した。次はクライマックスシリーズを勝ち抜き、4年連続の日本一に挑む。

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キューバ勢の合流遅れや故障、不振のため工藤監督は思うような打線を組めずに苦労した。ここまで111試合を消化してオーダーが104通り。最も多いのが1番周東、2番中村晃、3番柳田、4番グラシアル、5番栗原、6番明石、7番松田宣、8番甲斐、9番川瀬の4試合。2試合連続で同じ打順は7月19、21日と8月28、29日しかなく、10人以上起用した打順が7つもある日替わり打線だった。

バレンティンでスタートした先発4番には球団史上最多の9人が座り、最多出場はグラシアルの31試合。プロ入り初4番が6月28日上林、7月17日中村晃、8月11日栗原、10月2日川島と4人もいた。4番打者の本塁打はデスパイネが113試合務めた昨年の36本から17本に半減したが、打率は昨年の2割5分5厘から3割2厘にアップ。4番もつなぎに徹していた。

昨年までの優勝チームの先発4番起用人数を調べると、延べ155チームのうち122チームが4人以下。最多は78年阪急の9人で、今年のソフトバンクは最多タイ。阪急の9人目は優勝を決めた後の試合で起用され、V決定前に9人は初めてだ。1リーグ時代を含め100試合以上行われたシーズンで、優勝チームの最多4番出場が40試合以下も過去になかった。【伊藤友一】