特別な思いを抱いたドラフト会議でした。伊藤大海投手は、球団史上初めての道産子1位指名選手。5位根本投手、6位今川選手も北海道出身です。04年に北海道に移転し、私がプレーしていた頃に野球少年だった子たちが、高い評価を受けてプロの世界に入ってきた。北海道の野球のレベルが上がったと実感しますし、日本ハムが北海道に来た効果が、目に見える形で出てきていると思うとうれしいですね。

育成枠を除く6人中4人が大学・社会人。それぞれがチームの補強ポイントに合致した指名選手たちで、即戦力として期待されているはずです。特に伊藤投手は、通常の大卒ルーキーより年齢もひとつ上。最初は先発、抑えの適性を見極めながらになると思いますが、すぐにでも活躍し、23年の新球場開業の頃には中心選手になってもらいたいです。

指名を受けてから、来年の合同自主トレ、春季キャンプまでが、一番「自由な時間」なんです。これまで高校、大学でチーム活動していたものが、環境が大きく変わる。目標がしっかり定まったので、実はこの3カ月はすごく伸びる時期でもある。どう過ごすのかが、その先の野球人生に大きく関わってきます。調整のつもりではなく、死に物狂いで、技術、体力の向上に使ってもらいたいです。

引退してからのこの1年間、スカウト活動を近くで見てきました。実際に球場にも同行し、視察した選手が他球団に指名された例ももちろんあります。でもどこのチームであっても頑張って欲しいと心から思います。それはスカウトみなさんの共通する思いではないでしょうか。