ソフトバンク周東佑京内野手(24)が「世界の盗塁王」に肩を並べた。3回2死一塁で今季47個目となる盗塁を決め、11試合連続成功。福本豊(阪急)が71、74年に記録して以来、46年ぶりに日本タイ記録に並んだ。鷹のいだてんは「あまり実感が湧かないですね…。それだけよく、塁に出られたなと思います」と冷静に振り返った。

「やばい」と思ったところから、迷わずに進んだ。「落ち着いていこうと思っていたのに、焦っていましたね」と初対戦のロッテのチェン・ウェインのけん制に飛び出した。そのまま一目散に二塁へ走り、タッチをかいくぐった。セーフの判定に「めちゃくちゃラッキーでした」と頭をかいた。リーグトップを独走する今季47個目。リーグでは16年のオリックス糸井、西武金子侑以来の50盗塁も見えてきた。

スタートを切る勇気は、変わらない。「成功したら点につながっている。失敗のイメージはあまり持っていないですし、成功するビジョンしかないので」。優勝がかかっていたこれまでも、自信を持って走った結果が大記録につながった。あまたの快足自慢も届かなかった世界へ。新たな歴史をつくる。【山本大地】

▼周東が16日楽天戦から11試合連続盗塁。71、74年に福本(阪急)がマークした連続試合盗塁のプロ野球記録に並んだ。また、今月は24試合で21盗塁。月間盗塁は72年8月福本の27個が最多だが、21盗塁は史上7人目で歴代7位タイ。今月の残り3試合で、福本の月間記録にどこまで迫れるか。

▽福本豊氏(自身に並ぶ11試合連続盗塁成功のソフトバンク周東について)「おめでとうやったね。意識しながら、マークされながら、走れる。すごいなと思う。テレビで見てるけど、やっぱり速いと思う。やっぱり、使わないといけない選手になったね。よく頑張ったと思う。(シーズン通算)50個はいくやろ。こうして盗塁で注目された選手、そしてまた必要とされる選手。うれしいね。期待してますよ。(記録を)破ったらいい。破ってどこまで続けるかやね」

▽ソフトバンク工藤監督(周東について)「大したものですよね。試合前はすごくプレッシャーを感じていたみたいですけど、その中で1打席目からしっかりヒットを打って、走れるというのはね。今、1番から外せないですね」