山賊打線“4番”のバットが、2位浮上を一気にたぐり寄せた。

西武栗山巧外野手(37)は6回1死一、二塁、楽天涌井の初球カーブを迷わず振りにいった。中越え二塁打で2点適時打。1点差に詰めよられた直後の攻撃で突き放した。「(4番は)やはり打線の中で機能した方が打線が活発になる場所だと思うので、その辺はしっかり足引っ張らないように頑張ろうという意識はあります」と役割を果たした。

プロ19年のベテランも、4番のキャリアは浅い。10年に8試合、この試合を含めた今季8試合でわずか16試合。百戦錬磨の栗山もほぼ無縁の場所だった。「4番に対してどのチームもいい攻めをしてくる。浜屋が踏ん張りながら頑張って0に抑えていましたし、何とか点を取りたいなという気持ちはずっと持ちながら守っていたんで、あの場面は良かったです」。16歳年下の新人左腕・浜屋が先発した試合では25打数11安打、打率4割4分を誇る。野手最年長37歳の心意気が如実に数字に表れている。

チームはこれで最大9ゲーム差あった2位ロッテと1ゲーム差に肉薄。29日にも開幕2戦目の6月20日以来131日ぶりにCS圏内に浮上する。「1試合に、1球に対して、集中していくというのがたまたま終盤にかみ合っていると思います」。終盤力の西武。栗山の存在が、その原動力となっている。【栗田成芳】