阪神大山悠輔内野手(25)が2本の適時打で3打点を稼ぎ、熾烈(しれつ)な打点王争いに食らいついた。打点数も一気にキャリアハイ更新となった。

まずは1点リードの5回1死三塁。「ランナーが三塁にいましたし、とにかくランナーを返すだけでした」。2番手又吉の内角直球に詰まりながらも、中前に運んで中押し点をもたらした。6点リードの8回2死満塁では、4番手岡野から中前2点適時打。合計3打点で78打点とし、昨年の自己記録(76打点)を塗り替えた。昨季は143試合出場での記録だが、今季は110試合目でマークした。

タイトル争いは目まぐるしく動いた。他球場では巨人岡本が27号3ランで単独トップの84打点。ヤクルト村上が25号、26号とソロ本塁打2発を放ち、82打点で中日ビシエドと並ぶ2位。大山も1位まで6差と、離されずに追いかける。

本塁打王争いは岡本に単独トップを譲り、26本で村上と2位タイになった。それでも2冠は射程圏にある。矢野監督は4番の勝負強さを「打点は一番チームに直結する部分でもある」と評価。「タイトルはどっちも狙える位置にまだいると思うので。ここまで来たら貪欲に本塁打王も打点王も意識しながら、どこまでできるかを挑戦してもらいたい」と、ハッパをかけた。シーズンは残り10試合。大山の打席から目が離せない。【奥田隼人】