阪神藤川球児投手はゲームの締めくくりを任され、大歓声に直球で応えた。8点リードの9回2死。なじみの登場曲が流れると、甲子園がこの日一番の盛り上がりを見せた。今季限りでの現役引退を表明した後に限れば、初めてリードした場面での登板。「あと1人」コールが響き渡る中、7番シエラを145キロ直球で一邪飛に仕留めて笑顔だ。

「締まった試合ができるというのは、みんなの頑張りがあってなので。プラスワンという形で登板させてもらうくらい、現状のリリーフというか投手陣の強さを感じます。心強く思います」と後輩たちに感謝。「ファンの方とともに最後の時間を一緒に過ごせること自体がすごく貴重。誰もが味わえる時間じゃないところをいただけるというのは、本当に今まで頑張ってきて良かったなというところです」。引退試合となる11月10日の巨人戦まで、思いをマウンドでも体現する。