高津ジュニアの野球人生が幕を閉じた。ヤクルト高津臣吾監督(51)の長男で武蔵大の高津大嗣投手(4年=新潟明訓)は登板せず、後輩の投球をベンチから見届けた。

「投げられなかったことにもちろん悔しさもある。それでも、一緒にやってきた後輩が最後まで投げ抜いている姿を見てうれしかった」。8回完投した1つ下の後輩・山内大輔投手(3年=東海大菅生)の成長ぶりを自分のことのように喜んだ。

偉大な父の名前が常に付きまとう野球人生だった。それでも重圧をモチベーションに換えて奮闘した。「『いつか越えてやる。いつか越えてやる』と思いながらここまでやってきた。全然親には及ばなかったが、それを目指した過程は変わらない。誇らしい目標を持った。良い父であり、良い目標でした。感謝してます」。

くしくも、父が監督を務めるヤクルトのシーズン最終戦と同日に、野球人生を終えた。「それもそれで何かの縁ですかね。僕は来年普通に社会人ですけど、頑張って欲しいです」。親への感謝を胸に、全く違う舞台で新たな人生がスタートする。【小早川宗一郎】