引退試合を迎えた阪神藤川球児投手(40)が、現役最後のマウンドに上がった。

9回にコールされると、詰めかけた今季最多21392人のファンから大歓声が響いた。

ともに代打の坂本、中島を空振り三振、重信を二飛に打ち取った。

以下、藤川の一問一答。

(拍手のなか入場)

-グラウンドを1周。いろんな声があった。

藤川 そうですね。今回引退のいろんな引退記念のグッズがたくさん出ているんですが、それを持っている人がたくさんいて。もっと前から応援してくれる人とかがいて。そういうファンの方々と同じような。もっと前から2005年の優勝した時とか。思い出を一緒にページをめくっている感じがして、感慨深い感じがしました。

-笑顔だった

藤川 自分にとって野球は本当シビれるような戦いです。その中で勝ったり、勝ち続けないといけない。そういう思いのなかでやってきたからこそ悔しさ、うれしさというものがあった、グラウンド上で。チームのために涙を流すことはあるかもしれませんが、個人が野球を離れるということで涙するということは実は1度もなかった。

-阪神のユニホームを着てほしいというファンの方の声に応えてくれるか

藤川 いまはそこに自分の人生のすべてをささげられるだけの自分が、いま送りたい人生と比べたときに入ってこない。それは、自分のところは子供が早かったので、気づけば19歳、17歳、13歳と。それは妻が本当に頑張ってくれて、自分自身を野球に集中させてくれたという感情を考えると、やっぱり自分は何を一番大事にしたいのか考えた時に、最後の1カ月、甲子園で家族に姿を見てもらった通り、自分にとってはそれが家族。皆さんからそういう声をかけてもらった時にその時自分がどうするか今のところは想像できません。

-矢野監督との最後はサプライズ。どんな気持ちで投げてどんな思いだった

藤川 矢野さんとは若い時から本当にずっと一緒にやってきて、僕が人生で一番尊敬する方。そこを自分の人生の軸として自分もいま生きている。監督ってものすごく大変だといつも思いがあるけど不平不満、つらい思いをすべて受け止めて黙って戦っていく精神力が必要。皆さんにも本当について行ってほしい。

-生まれ変わっても野球やりますか

藤川 いま生まれ変わったところ。あの頃に戻れたんですけどね。17歳、18歳か。今からはまだ、今からの人生を楽しませてもらいたいなと。巨人の坂本くんが2000本打ったばかりで。しのぎを削ってやってきたんで、最後、花を持たせてくれてね。対戦しながらもっと対戦したいなと。今日のボールなら対戦できるのにという思いもありながら、でもそういうプロ野球の素晴らしさというのは目に見えないものの方が実は重要。

-12球で納得できる球は何球ぐらい

藤川 結構ありました。坂本君の時は多かった。高めに浮いたボール以外は良かったですね、自分では。

-12球のうち2回振りかぶって投げた

藤川 150キロを狙ったんですよ。だけどその時の方がボール遅かったじゃないですか。それがやっぱりいかに鍛錬を積んできたフォーム、まだ新しいことをしようとしているじゃないですか、そこで。うん、野球好きなんだなと思いました。

-中学のときの作文が流れた。そのときの自分に伝えられることは

藤川 あれ一夜漬けで書いたんですよ。夏休み前の最後にやばい、やばいと思いながら書いて。夏休み明けに、クラスで1日3人とか4人が読み上げるんですけど、自分の瞬間が回ってきて、まいっか適当に書いたしと思って、抱負をつらつらつらつら読んだんですけど、読んで周り見ると、泣いているんですよね。

-清原選手のメッセージ

藤川 清さんにそこまでの気持ちにさせてしまっていたということの方が、自分にとってはすごく、つらいものもあったんですね。言われたことは、全然なんとも思ってないです。自分で克服できた。だけど言わせてしまった方。それを取り上げしまった側のことを考えたときに、グラウンドを出た清原選手と、グラウンドを出た藤川球児選手の話。グラウンド上の中で起こることっていうのは、外では絶対起こらないことだったんですけど、最後は自分がメッセージを清さんにしたんですけど、自分が清さんの恩を返さなければいけない。清さんがそうやっていってくれたことで、自分を守ってくれようとするファンの方もできた。自分が苦しんでいるときに、自分が調子が良いときに、清原さんが粘り強く言われたことで、野球では友達じゃないといってくれる方ができたというのはなんか、心苦しいですね。早くお礼を言いに行きたいというか、そういう風な思いを持ってる方々というのが、人生のなかでも失敗するときは誰でも絶対あるんですけど、そういうところからの社会復帰とか、そんなやるのはおかしいでしょって言う風に自分は、常々思ったけど、それを今日初めて言えたので、なにかが伝わってれば。いろんなところを含めて、みんなが支え合っていかないと。

▼藤川が登板した782試合で、阪神は527勝201敗54分け、勝率7割2分4厘。勝ち試合での527試合登板は、球団最多。