「2020毎日スポーツ人賞」の表彰式が4日、都内で行われ、2月11日に84歳で死去した野村克也さんが功労賞に選出された。

式に出席した息子の克則氏は、野村氏が生前に愛用していたというネクタイと監督通算1500勝記念のピンをつけて臨んだ。

壇上で父との思い出を語り「亡くなっても功績がたたえられることに、改めて偉大さを感じます。帰ったらしっかり報告します」と感慨深げな表情を浮かべていた。

克則さんが明大からヤクルトへ入団した際には、父からプロの厳しさや取り組み方を教わったという。「人間的に成長しなければ、野球選手としても成長しないよ」。この言葉が、今も胸にしっかりと刻まれている。引退後も野球界で仕事を続けられているのは、その教えを守ってきたからこそだと感じている。

楽天のコーチ就任時には、1人前の選手に育て上げるためにコーチに必要なことは「情熱、根気、愛情」とアドバイスを受けた。今季1軍作戦コーチを務めた中でも、そういった言葉の数々が思い出されたといい「(父は)どんな試合でもボヤく人だったので。シーズンの中でも(父なら)どんな一手を打つだろうかと考えたこともありました」としみじみとした様子で語った。

新型コロウイルス感染症の影響でお別れ会が延期となっているが、克則さんは「必ずやらなきゃいけない」。国内でも感染状況は増加傾向にある。さまざまな状況を踏まえて開催時期を判断すると述べた。

【平山連】