今季限りで現役を引退した阪神の藤川球児氏(40)が15日、高知市内にある母校の高知商を訪問した。

今年9月に高知商の全校生徒約830人が、藤川氏の巨大パネルアートを作ったことが縁で行われたもの。生徒たちは当時2軍調整中だった先輩の藤川氏を応援したい、そしてコロナ禍で頑張っている人たちを勇気づけたいとの思いから、縦5・4メートル、横7・2メートルの巨大パネルを作ったという。

この日藤川氏は生徒会長らと交流した後、代表生徒約30人から歓迎セレモニーを受けた。体育館に飾られた自身のパネルを一目見ると、その大きさに心底驚いた様子。「みんなの頑張りが、僕を最後の引退試合、頑張らせてくれた」と背中を押してくれた後輩たちに、あらためて感謝した。

セレモニーの最後に生徒へのメッセージを求められると、コロナ禍の困難な状況でも挑戦し続ける大切さを語りかけた。「コロナで本当に大変で。その中でもチャレンジは見つけてください。自分で、もしくは友達と話して。なんでも人生のプラスに捉えられる」。続けて、高知商出身の誇りを持って羽ばたくことを願った。「一本筋が通った人生を、僕の次の高知県代表として、今いる高知商の生徒さんたちにつないでもらいたいなと。素晴らしい先輩がいっぱいいるんで、僕以外にも。誇りを持って世の中に出て行ってください。で、都会で会いましょう。また僕も大きくなります」。他の生徒たちは、各教室からオンライン中継される映像を通して見守っていた。

藤川氏が母校を訪れるのは、四国IL高知で日本に復帰する際に、練習のために訪れて以来。「つい5年前でしたけど、その時の自分と今の自分を考えると、やっぱりチャレンジして良かったなと」とNPBに復帰したこれまでを振り返り、感慨深く話していた。