早川先輩の背中を追いかける。

早大は22日、東京・東伏見のグラウンドで年内の練習を終えた。楽天ドラフト1位の早川隆久投手の後を継ぎ、新主将に就いた丸山壮史主将(3年=広陵)は「早川さんは背中で語っていた。神宮でも、あれだけの結果を出したし、加えて、練習も人一倍やっていた。自分も背中で見せつつ、みんなが言えない厳しい言葉も使っていきたい」と口元を引き締めた。

早川からは「1人で抱え込まず、みんなの意見を聞いて、強い早稲田を取り戻してくれ」と託されたという。今秋は早川を中心に、チームは無敗で5年ぶりの優勝を果たした。来春は連覇がかかるが「先を見据えられるほど、甘くはない」と、1戦必勝で臨むつもりだ。

早川の後を継ぐエースには、徳山壮磨投手(3年=大阪桐蔭)が挙がる。既に右のエースナンバーの「11」をつけることが伝えられた。「早川さんが1つ上で、尊敬することが多かった。追い付き、追い越せるように」と誓った。

早川とバッテリーを組んだ岩本久重捕手(3年=大阪桐蔭)も「バッテリーで試合をつくる大切さを再認識できました。早川さんと一緒にデータを分析し、コミュニケーションを取った。来年も、徳山や他の投手と同じようにしていきたい」と、貴重な経験をつないでいく。

その早川は、この日も早大グラウンドを訪れ、外野を黙々と走っていた。来年1月の入寮へ向け、準備を怠らない。小宮山悟監督(55)は「黙々と走る姿やブルペンを見て、投手陣は『ああなりたい』と思ったはず。憧れの選手になってくれた」と目を細めていた。