キャリアハイでリーグ優勝! 阪神梅野隆太郎捕手(29)が22日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1000万円増の1億1000万円でサインした。順調なら来季中に国内FA権を取得見込みで、今回は単年契約。交渉の場でもらった「梅野なくして優勝はない」の言葉を意気に感じ、まずは16年ぶりVへグラウンドの戦いに全力を注ぐ。なお、阪神は梅野で全57選手との契約更改を完了した。(金額は推定)

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年俸アップの評価よりも、梅野はその言葉がうれしかった。「金額もそうですけど、球団の方から『梅野なくして優勝はないだろう』と評価していただいた。気持ち良く交渉することができました」。3年連続チームの大トリで契約更改を終え、中心選手としての覚悟を新たにした。

プロ7年目の今季は98試合に出場し、78安打29打点7本塁打、打率2割6分2厘。自身初の2番打者も経験した。9月に右腹斜筋の筋挫傷で一時離脱したが、2週間足らずでスピード復帰。「チームとしても、個人として考える時間、向き合う時間も長かった分、120試合でしたけど、濃い1年間だったんじゃないかなと思います」。コロナ禍で開幕が遅れた異例のシーズンを振り返った。

球団捕手では史上初となる3年連続ゴールデングラブ賞も受賞。名実ともにチームの顔となったが、味わったことのないものがある。背番号「2」を背負う来季、追い求めるのは「優勝」の2文字だ。「期待に応えられるように最高のプレーをして、キャリアハイという数字を出し、チームが優勝できるように、個人的にも全試合出場、そこにもプライドを持って頑張っていきたい」。自己最高の成績を残した先に、歓喜の瞬間が待っているはずだ。

30歳を迎える来季に国内FA権を取得予定で、今回は単年契約を結んだ。「来年、とにかくキャリアハイを出して、必要とされるものを作り上げて、必要とされる評価をもらえるところに関しては、この球団も含めていろんなところで考えていきたいなと思います」。FA権については含みを持たせたが、今はチームのために戦うだけ。プロ8年目、まだ見ぬ頂点を目指す。【磯綾乃】

◆阪神の今オフ契約更改 阪神の来季の日本人支配下選手61人(ドラフト入団8選手、移籍2選手含む)の推定年俸総額は16億8430万円。1人平均2761万円で、日本プロ野球選手会が今年6月に発表した3863万円から1102万円も急落した。ベテラン選手が大量に退団したため、日本人選手の年俸総額は大幅に減少。藤川2億円、福留1億3000万円、能見9500万円など、高額な選手の年俸が削減された。さらに糸井が2億1500万円の減俸も大きかった。またコロナ禍の影響で主催試合も減少し、球団の入場料や放送権料がダウンしたことも響いた。一方で大山が5300万円増の1億円、近本が3000万円増の7500万円と、若手主軸はアップを勝ち取った。