「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2020」が29日に神宮球場と横浜スタジアムで開幕する。2年連続3度目の優勝を目指すヤクルトジュニアは、度会博文監督(48)の「この先もつながる野球」という指導の下、明るく元気にプレー。プロ野球選手を多く輩出している大会で、結果を残す。

選手たちの大きな声が、グラウンドを飛び交う。指導して3年目となる度会監督は、ベンチ前に立って練習試合を見る。「日本一を目指すのはもちろん、選手たちがこの先、中学で軟式に進んでも硬式に進んでも、つながるような指導を心がけている」と話す。

ジュニアチームの特徴は、普段所属するチームが違う選手同士が集結すること。8月末に行われた結団式からの約4カ月間、週末や祝日を使って練習を重ねる。その短い期間で、所属チームに戻った際にもいきる技術を、監督と同じくヤクルトOBの河端コーチ、三輪コーチが指導する。昨季まで現役だった三輪コーチは、今季から就任。例えば走塁では、小刻みに両足を動かして加速をつけやすくするシャッフルを打者を見て合わせる技術、リードの幅、投手のクイックの速さを見極めてリードを決めるなど、細かな部分を教える。練習の際、1人ずつ丁寧に伝えることを意識。現役時代、高い走塁技術を誇っており「これから先、間違いなく大事になるポイント。なかなか小学生では習わないことかもしれないが、絶対に役立つ」と力説する。

所属チームの指導に加え、ジュニアチームで得た知識や経験は、選手の選択肢を増やすことになる。度会監督は「いろいろな教え方がある。選手が自分に合う方、いいと思う方を考えていってほしい」と話す。どうしても練習には熱が入り、荒井主将は「練習量が多くて最初はつらかったけど、楽しかった」と笑顔だった。

ヤクルトでは、2軍の本拠地戸田球場で練習を重ねる。隣のグラウンドでは、プロ野球選手たちが体を動かしており、村上や雄平らが子どもたちに声をかけて指導することもある。中学生になった卒業生が、練習をのぞきに来てくれるのは、指導者冥利(みょうり)に尽きる。この大会からは数多くのプロ野球選手を輩出しており、登竜門のような存在になっている。頂点を狙う度会監督は「今年は、打力があるチーム。得点が取れれば、勢いに乗れる。1試合目から弾みをつけて、連覇をできるように頑張りたい」と自信を見せる。プロ野球選手の卵とも言える選手の可能性を、大会を通じて伸ばしていく。【保坂恭子】