広島ドラフト1位の栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)が、日刊スポーツの新春インタビューに応じ、現在の心境や名城大時代のコーチで、元中日、楽天の山内壮馬氏(35)との出会い、プロ1年目の抱負などを語った。【取材・構成=古財稜明】

 

-背番号20に決定

栗林 大学でつけていたなじみのある番号なので、良かったです。本当に良い評価をしていただいて、良い番号をいただけたのが一番。重みをすごく感じています。

-理想の投手像は

栗林 大事な試合で勝てる投手になりたい。今なら田中将大投手が大事な試合に強いイメージがありますね。

-これまで経験してきたポジションは

栗林 小学5年生まで遊撃手、6年生は捕手。中学は遊撃手。高校2年の秋まで内野手。そこから投手です。

-高校3年の打順は

栗林 4番です。高校通算は3本しか打ってないです(笑い)。本塁打より、打率を残すタイプでしたね。

-野手の経験が長い

栗林 野手の方が大好きです。今でも野手に戻りたいくらい。投手はずっとプレッシャーと闘っている感じで、責任を全部1人で背負いたくなかった。今はやりがいを感じているので、昔と比べたら未練はないです。

-セ・リーグは打つ

栗林 打撃ができるのが楽しみ。打席で見て、感じるところもすごくある。勉強できたらいいと思います。

-山内氏との出会い

栗林 大学2年生の冬です。それまで直球とスライダーしか投げてなかったので、カーブとフォークを教わりました。フォークはすごくはまりました。直球に近いというか「一番投げやすい握り方で投げたらいいよ」と教わりました。そこから3年の春にノーヒットノーランを達成して、その年に大学日本代表に入れました。

-野球人生の分岐点か

栗林 野球人としてはそこをきっかけにどんどん成長していきました。プロ野球選手になれた大きな要因、一番成長したのは山内さんのおかげなのかなと思います。

-大学で指名漏れを経験して1度プロを諦めた

栗林 報道陣の方、チームのみんな、中学の監督さんとか、たくさんの方が現地で待ってくれていました。指名漏れして、自分以外の人が落ち込む。また目指してもう1回指名されなかったら…。迷惑をかけたくないと思いました。

-もう1度プロを目指したきっかけは

栗林 社会人の同期がプロを目指していたのが一番大きかった。僕と同じで大学で指名漏れした同期もいたので。元気、勇気をもらったというか、負けないように頑張ろうと思いましたね。

-社会人ではスライダーを封印した

栗林 入社してすぐ、細山田さん(元横浜、ソフトバンク)含め捕手の方に、投げた瞬間に曲がり始めてしまうから「通用しないよ」と言われました。当時はスライダーが軸球で、1試合で3球くらいしか投げてなかったカーブの方が良いと言われて「本当かな」と思いましたけど、上のレベルでやられている方に言われたので、すぐに練習しました。

-1月から新人合同自主トレが開始。意気込みは

栗林 自分が新人の最年長でもあるので、コミュニケーションを取っていかないといけないと思う。社会人出身としてやるべきことはしっかりやって、チームに1日でも早くなじんで、早く戦力になりたい。

-1年目の目標は

栗林 「1年間1軍」。あとは新人王を取った森下に負けないように。森下の次の1位指名なので、たくさんの方が活躍を期待されていると思う。その期待に応えたい。北別府さん、永川さんみたいに、どのポジションでも1年目から活躍できるように、しっかり準備していきたいです。

-プロ入り後の夢は

栗林 中日の吉見さん、広島なら黒田さんが引退されたように、ファンの方々に温かく送り出されるのはごくわずかな選手だけ。そこまでいけるように頑張ります。

 

栗林良吏(くりばやし・りょうじ)

◆生まれ 1996年(平8)7月9日、愛知県生まれ。

◆球歴 勝幡小2年から勝幡ドラゴンズで野球を始める。佐織中時代は軟式の藤華クラブに入り、愛知黎明では2年秋まで内野手。最高成績は県大会準優勝で、甲子園出場はなし。名城大では1年春にリーグ戦デビュー、3年春の中京大戦でノーヒットノーランを達成。3年時に大学日本代表に選出され日米大学野球、台北ユニバーシアードに出場。愛知大学リーグ通算32勝15敗。19年にトヨタ自動車に入り、昨年の都市対抗大会で準優勝に貢献。

◆球種 最速153キロの直球、カットボール、フォーク、カーブ。

◆好きな食べ物 パイナップル、梨、オムライス。

◆好きな女性のタイプ 女優の浜辺美波。

◆趣味 ゴルフ、釣り。

◆50メートル走 6秒4。

◆既婚 大学時代の同級生で1年時から交際していた沙耶さん(24)と20年7月に結婚。

◆座右の銘 謙虚。

◆尊敬する人 星野仙一。

◆サイズ 178センチ、83キロ。右投げ右打ち。