キリンです-。ロッテのドラフト4位・河村説人投手(23=星槎道都大)が7日、さいたま市の球団寮に入寮した。キリンと呼ばれることもある192センチの長身右腕は、オンライン取材でこだわりの持参品を問われ「あります」と自信ありげに取り出した。

「木で作られたキリンです」との朗らかな声に、画面上で「???」と固まる報道陣。「この日のために用意してきました」とマスクに隠れた口角を上げた。一品披露は今や、12球団新人入寮の風物詩。「なんとなく毎年の流れであるというのは知ってたので。去年の一覧を見て」と研究し、晴れの日に備えた。

何を選ぶか。年末、初めて訪れた北海道・苫小牧のアジア系雑貨店。「存在感もあって、かわいげで」とひと目ぼれした。約60センチサイズの品をスーツケースに詰め、北国から運んできた。寮内での反応は「大変好評をいただいております」とのことだが「使う時は多分来ないと思います」と淡々と展望した。

人気歌手のCDも勢いで買って持参したが、オーディオ機器がなく聴くことはできない。何かとオチがついても、その好奇心や積極性はプロで生き抜くには大事な資質だ。まだ細身ながら、真上から投げ下ろす直球への評価は高い。「とにかく今年は、1軍で投げることを目標にやっていきたいです」と新人合同自主トレからアピールしていく。とりあえず部屋のど真ん中に鎮座させた守り神が、1軍デビューの日を首を長くして待つ。【金子真仁】