可能性を秘めた新外国人投手に注目だ。新加入のDeNAフェルナンド・ロメロ投手(26=ツインズ)はメジャーでも有望株だった若手で、ヤクルトのサイ・スニード投手(28=アストロズ)、中日ランディ・ロサリオ投手(26=ロイヤルズ)、楽天アダム・コンリー投手(30=マーリンズ)らも20代後半から30歳前後で伸びしろがある。

ブレークの予感が漂う4投手を、米データサイトを基に分析した。

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外国人投手が、日本からメジャーへ挑戦する-。近年、プロ野球で実績を挙げた新外国人投手がメジャー契約を勝ち取り、活躍の場を広げている。

15年から3年間巨人に在籍していたマイコラスは18年にカージナルスに移籍。18勝4敗でリーグ最多勝と最高勝率に輝いた。日本球界に参戦した時の年齢は26歳。日本で投球を洗練させ、メジャーで花を咲かせた。

昨年もNPB出身のメジャー選手たちが複数球団で活躍。元阪神のジョンソンは強豪パドレスに移籍し、勝ちパターンでセットアッパーを任された。同じく元阪神のドリス、16年に日本ハムに在籍していたバースは今季、共にブルージェイズでクローザーを務めた。20代後半から30歳前後で日本球界に参戦し、活躍すればメジャー各球団の目に留まる可能性が高い。将来性ある外国人投手が日本でのプレーを選び、再び夢に挑む時代になってきた。【斎藤庸裕】


<DeNAロメロの投球傾向分析>

DeNAロメロの投球傾向分析 ※A~Dの基準はそれぞれMLB平均の値から考慮して判断。
DeNAロメロの投球傾向分析 ※A~Dの基準はそれぞれMLB平均の値から考慮して判断。

【項目別】直球のスピードが速く、力で押せるタイプ。直近の19年シーズンは奪三振の割合が比較的高かった一方で、四球が多く、WHIPもメジャー平均を大きく上回った。対左打者への被打率の高さが課題となる。

【球種】直球とシンカーが主体で、全体の約3分の2を占める。

◆フェルナンド・ロメロ 1994年12月24日、ドミニカ共和国生まれ。11年に国外FA選手としてツインズと契約。マイナー1A時代の14年にトミー・ジョン手術。18年5月2日のブルージェイズ戦で先発でメジャーデビューし、6回途中無失点で初勝利。昨季は登板がなく、メジャー通算26試合(先発11)で3勝4敗、防御率5・17。183センチ、98キロ。右投げ右打ち。年俸7500万円。


<ヤクルト・スニードの投球傾向分析>

ヤクルト・スニードの投球傾向分析 ※A~Dの基準はそれぞれMLB平均の値から考慮して判断。
ヤクルト・スニードの投球傾向分析 ※A~Dの基準はそれぞれMLB平均の値から考慮して判断。

【項目別】直球の球速は平均的で、カットボールが武器。米データサイトのスタットキャストによれば、縦の変化量が大きい。防御率が5点台と高く、走者を背負うことが多い。メジャー未勝利だが、193センチと大柄な体格で、将来性が期待される。

【球種】カットボールが主体で、変化球も多彩。昨年はカーブの割合を増やし、配球の幅を広げた。

◆サイ・スニード 1992年10月1日、米ネバダ州生まれ。ダラス・バプティスト大から14年ドラフト3巡目(全体85位)でブルワーズ入団。15年オフにトレードでアストロズ移籍。19年6月に初昇格。デビューから2試合連続で救援で5イニング以上投げたのは史上18人目。メジャー通算26試合で0勝4敗、防御率5・59。193センチ、97キロ。右投げ右打ち。年俸8320万円。


<中日ロサリオの投球傾向分析>

中日ロサリオの投球傾向分析 ※A~Dの基準はそれぞれMLB平均の値から考慮して判断。
中日ロサリオの投球傾向分析 ※A~Dの基準はそれぞれMLB平均の値から考慮して判断。

【項目別】昨年はわずか4試合の登板に終わり結果が出なかったが、通算の左打者への被打率が低く、左キラーといえる。直球の平均球速は並だが、最速は156キロを誇る。6勝を挙げながら防御率が高く、四球の多さも課題だ。

【球種】直球だけでなく、スライダーとシンカーなど変化球もバランス良く配球する。

◆ランディ・ロサリオ 1994年5月18日、ドミニカ共和国生まれ。10年にアマチュアFA選手としてツインズと契約。マイナー1A時代の14年にトミー・ジョン手術。17年に初昇格。同年オフにカブスに移籍し、18年は44試合で4勝。19年途中にロイヤルズ移籍。メジャー通算69試合で6勝1敗1セーブ、8ホールド、防御率5・00。185センチ、95キロ。左投げ左打ち。年俸5000万円。


<楽天コンリーの投球傾向分析>

楽天コンリーの投球傾向分析 ※A~Dの基準はそれぞれMLB平均の値から考慮して判断。
楽天コンリーの投球傾向分析 ※A~Dの基準はそれぞれMLB平均の値から考慮して判断。

【項目別】190センチの長身左腕で、スリークオーター気味の角度から150キロを超える直球を投げ込む。奪三振の割合は低い。左投手だが、対戦で有利とされる左打者よりも右打者への被打率が低い特徴がある。

【球種】直球が主体。18年まではチェンジアップとスライダーが持ち球だったが、19年からカーブを加えた。

◆アダム・コンリー 1990年5月24日、米ワシントン州生まれ。ワシントン州立大から11年ドラフト2巡目(全体72位)でマーリンズ入団。15年メジャーデビュー。18年からリリーフに回り、19年はチーム最多60試合に登板。最速98・7マイル(約158・8キロ)。メジャー通算174試合で25勝30敗5セーブ、防御率4・82。190センチ、94キロ。左投げ左打ち。年俸7350万円