「ラグビーの 選手の体 湯気が立つ」

7年前、伊藤園主催「おーいお茶 新俳句大賞」で佳作特別賞を受賞した大阪府の13歳少年が、再び全国区になる日が迫る。ロッテ山口航輝外野手(20)が、初の1軍キャンプに「今年は勝負の年。最初から最後まで1軍にいられるように」と体を火照らす。

右のスラッガー候補だが、昨秋のチームのコロナ禍の緊急事態で、コンディションに問題なしながら、1軍に呼ばれなかった。「ほぼ自分だけ上がれなかったので、今までの野球人生でも一番と言っていいくらい悔しい思いでした」。悔しさを原動力に、このオフは高校3年間を過ごした冬の秋田で鍛え上げてきた。

自分だけ上がれない-。本人には伝えられずとも、理由はあった。先輩安田や同期の藤原と同じように、プロ2年目は2軍での英才教育が施された。シーズン終盤は2軍で4番に固定された。

主力に左打者が多いチーム編成。この日、石垣島入りした井口資仁監督(46)が右の山口にかける期待も大きい。「長打力があって、今の1軍選手にない積極的な力強いスイングができる打者。キャンプも(井上)晴哉とかと競争させたい。ほぼ一塁メインでやらせようと思います」。

自主トレもずっと一塁ミットを使った。明桜(秋田)時代からのライバル、日本ハム吉田輝星を強烈に意識する。「ずっと負けてられない。吉田の山口、じゃないけど、セットにされるのも嫌なので」と、1軍戦でアーチを見舞うことを夢見る。

「おーいお茶 新俳句大賞」で入選し、自分の作品が載ったお茶が段ボールで3、4箱届いた。今度はZOZOマリンで本塁打をかっ飛ばして、お立ち台で新作を披露したいところ。「とにかく打撃でアピールしたいです」。まずは今の意気込みを詠んでもらった。

「ホームラン たくさん打つぞ 今年こそ」

【金子真仁】

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