阪神1軍キャンプの川相昌弘臨時コーチ(56)がいきなり「熱血塾」を開講した。球場を離れた午後5時40分までメイン、サブの両グラウンドを3往復。「僕はあくまでこの期間しかいない。コーチの皆さんに僕の考えを伝えて、いいことは続けてもらわないと効果が出ないので」。コーチ陣と綿密に連携を取りながら、3年連続12球団ワースト失策の守備陣に名手のエキスを注入した。

午後1時過ぎ、サブグラウンドで小幡、ドラフト6位中野の特守をチェック。身ぶり手ぶりと実技で約20分間アドバイスを送った後、「形作りに一番いい」練習を30分間組み込んだ。久慈内野守備兼バント担当コーチが手で転がしたボールの捕球、送球メニュー。「体が覚えるまで、やるしかないよ」と声をかけた。特守メンバーが糸原、大山、北條、木浪、山本に代わっても、個別練習が始まっても、地道な練習が繰り返された。

<1>ボールの右側から素早くチャージ。<2>巨人坂本勇のように大きくステップし、体重移動を利用して下半身で投げる。ポイントを習得した“受講者”からは充実感が漂う。北條が「ステップを大きく取れば、投げる場所をしっかり見る間ができる」と納得すれば、小幡も「よく下半身で投げろと言われるけど、それがすごくよく分かった。(上半身、腕に)全然負担がかからない」とうなずいた。

すでに各選手のミスを集めたDVDで予習を終えていたが、キャンプ初日は送球&守備のスマートフォン撮影、外野手送球のタイム計測などでも情報収集。早急に対策を練り、イメージする「イージーミス撲滅」に尽力する。【佐井陽介】

〇…川相臨時コーチはバント成功率向上への金言もいきなり授けた。巨人、中日で活躍した現役時代は「バントの神様」の異名も取った。この日は各選手の練習中に言葉をかけた後、野手、コーチ陣を集めて5分以上レクチャー。「140キロのボールを殺すのは僕にもできない」「バットの角度で方向さえちゃんとしてくれれば、打球を殺さなくていい」。分かりやすい言葉でアプローチした。

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