阪神に新加入したチェン・ウェイン投手(35=ロッテ)が、沖縄・宜野座キャンプで初めてブルペン入りした。いきなり捕手を座らせ、直球を25球。出力は「50~60%ぐらいですかね。自分の感覚ではまだまだ」と言いながらも、剛球がミットに吸い込まれた。

1月14日に来日したチェンは、2週間の自宅待機が明けたばかり。「プロ野球生活も長いので、やっぱり1歩1歩調整していくことが、重要かなと思っています」。投球を見守った矢野監督は「ボールも良かったね。見てホッとした」と声を掛けたという。日米通算95勝左腕の実績を踏まえ「さすがやね。ミスの幅も狭くて、ミスの確率も少ないし、再現性高いし」と胸をなで下ろした。

中日とロッテでNPB9シーズンを経験したチェンは日本語も流ちょう。指揮官は「選手が見て学べるところもあると思うし。日本語もうまいんでね、伝えてくれるところもあるやろうし」と期待した。チェン自身も「本当にいい選手が阪神タイガースにはいるので、役に立てるのであれば何でもしたい」と大歓迎。若い選手が多い虎の投手陣に「チェン塾」の門戸が開放された。【磯綾乃】

▼チェン中日在籍時の阪神投手陣 チェンが中日に在籍した04~11年の間、05年に阪神はリーグ優勝。同年は15勝を挙げた左腕下柳が最多勝に輝いた。下柳は同年から08年まで4年連続で2桁勝利をマークしている。03年に20勝するなど大活躍した左腕エース井川は、06年にも最多奪三振のタイトルを獲得。07年からメジャーに移籍した。救援陣はウィリアムス、藤川、久保田の「JFK」の強力3本柱を中心に、アッチソン、渡辺らも活躍。11年には新人榎田も中継ぎで33ホールドを挙げた。なおチェンは中日で36勝を挙げ、09年には最優秀防御率のタイトルを獲得した。