龍が咆(ほ)えた。巨人ドラフト1位平内龍太投手(22=亜大)がキャンプ2度目のブルペン入りした。「ヨシッ!」と“咆哮”(ほうこう)を上げながら、真っすぐを中心に80球。「声を出した方がリリースのタイミングが合いやすいんで。(無意識に)出てますし、投げやすい」と最速156キロの源泉を明かした。

両親から「龍太」という名前を授けられた。「龍のように太く生きてほしい」との願いが込められている。「龍って結構、格好いいじゃないですか。龍自体も好きです」とお気に入りだ。プロ入り前、ケガに泣かされ続けた野球人生。夢をかなえるため、ひたすら走った。中学時代の恩師、細谷潤教諭も神戸国際大付の青木尚龍監督も「あの子は決して手を抜いたりしない」と口をそろえる。

117球を投げた1日から中1日でプレートに足をかけた。「この前投げたときよりもマウンドにも慣れてきた。6割ぐらいですかね」とプロ仕様の硬いマウンドに適応中だ。後ろで見守った原監督には、声を出しながら投げ込む“龍”の姿から思い浮かぶ人物がいる。「新人で入ってきた時に星野(仙一)さんが、投げる前『おらー、いくぞ』って。すごいでしょ」。青島神社を参拝し絵馬に書き込んだ「新人王」という目標に向け、昇り龍と化す。【小早川宗一郎】

◆プロ野球選手と声 楽天田中、DeNA山崎など投手がリリース時に息を吐きながら声を出すケースは多々ある。星野仙一さんのように、投球動作のフィニッシュで打者をにらみつけながら、闘争心をむき出しにした叫び声をあげることもある。打者でも巨人丸のように、打撃練習のスイングのときに「シュッ」と声をはき出す選手がいる。DeNA山下は、試合中のスイングで雄たけびのように声をあげる。