悲願の優勝へ3年目の勝負に挑む阪神矢野燿大監督(52)と、“広島3連覇監督”で日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(52)の「同学年対談」が実現した。4日まで、阪神の沖縄・宜野座キャンプ第1クールを視察した緒方氏に、矢野監督がオレンジ色のサングラスに込めた思いを披露するなど、本音トークを展開した。

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現役時代から矢野監督のいろいろな表情を見てきたつもりだが、今回の対談取材でのそれは初めて見るように感じた。同い年という共通点がある2人は監督1年目の19年には“直接対決”もしている。それでも「仕事で会う機会があれば普通に話すんやけどそういえばプライベートで食事とかしたことはないね」(緒方氏)という間柄だ。

そんな緒方氏から「忖度(そんたく)なく阪神はいいムード」と言われた矢野監督は「ありがとう」と繰り返し、本当にうれしそうかつ照れくさそうだった。

緒方氏も監督時代の寡黙なイメージと違い、次々に質問を繰り出し、決められた取材時間をオーバーしそうになるほどで、阪神関係者を驚かせていた。古巣・広島を思う気持ちはもちろんだが、「打倒巨人」を目指し、同学年が指揮を執ることを心から支持している様子が伝わってきた。手前みそだが、ありそうでなかった異色のツー・ショット対談。終始、明るく和やかな雰囲気だった。【編集委員・高原寿夫】