阪神のドラフト1位佐藤輝明内野手(21=近大)が、対外試合デビューへ伝説級のデモンストレーションを見せた。今キャンプ2度目の特打で、驚きの打球を披露。72スイング目だ。中堅方向に高く舞い上がり、風にも乗った。スコアボードを軽く越える推定150メートルの特大アーチ。2日にはスコアボードの屋根に当てながら越える一打を放っていたが、さらに飛距離で上回った。

「逆方向にいい当たりを打っているのは、悪くはない」

特打では118スイングで4連発を含む33本の柵越え。フリー打撃を合わせると、52発の乱れ打ち。周囲の度肝を抜きながら、ひょうひょうとした表情で振り返った。

9日の日本ハムとの練習試合では、2番左翼での先発出場が決まった。「実戦でしっかり打てていないから、ここからですね」と表情を引き締めた。ここまで2度の紅白戦では6打数1安打。7日には一、二塁間を抜く「プロ初安打」もボテボテのゴロ。2三振以外の3つのアウトもすべて一塁、二塁へのゴロアウトと、本来の高く遠くへ飛ばす打球がまだ打てていない。

井上ヘッドコーチからは軸足となる左足がブレないようにとアドバイスを受けた。「ちょっとした意識で、打撃はすぐ変わるので、いろいろ試しながらやっていきたい」と試行錯誤している。体を開かずに左中間から左翼へも打球を飛ばし、手応えをつかんでいる。

日本ハム戦は2番での起用になる。矢野監督は「打順は関係ない。どこに置いてもいいんだけど」と、より打席がまわって来る上位でチャンスを与える。近大時代に経験のない打順だが、佐藤輝は自然体だ。「しっかり打ってアピールしたい。変な、余計な力を入れずにやりたい」。力まず、そして結果を求める。秋山、藤浪と自軍の主力に抑え込まれた苦い経験を生かし、目指すは、プロ初アーチだ。【石橋隆雄】

▽阪神陽川(日本ハム戦に6番一塁で先発予定)「打撃練習がいくらよくても、試合でどれだけ出していくかなので。一番は結果が大事」

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