関西6大学リーグの大商大の新入生36人が13日、奈良県内の同校グラウンドで全体練習に合流した。昨年、大阪桐蔭で主将を務めた藪井駿之裕内野手をはじめ14名が甲子園経験者という顔ぶれが集まった。

目標は大学初の日本一。藪井は「関東の大学で日本一を取るよりも、関西の大学から日本一を取りたいという思いもありました」と決意を口に。昨夏の引退後も後輩に交じり、平日休日問わず、トレーニングに励んだ。大商大はリーグ3連覇中の強豪。大学野球のレベルを見据え、体作りに力を入れた。8月に71キロだった体重は現在、約10キロ増の80キロ。「大商大でレギュラーを取るために」。日焼けした顔が、重ねてきた努力を映し出す。

培ってきた力で勝負する。高校時代は主に控え。公式戦での出場機会は多くはなかったが「外から見ていて分かるものもありました。いつでも出来るように、という準備をしていたり」。出番が来るまでの準備力、主将という立場で身についた俯瞰(ふかん)力。そして「大阪桐蔭で培ってきた、ここ一番での勝負強さは負けたくない」。昨夏の甲子園交流試合・東海大相模(神奈川)戦で、同点の8回に決勝2点適時打を放った勝負強さがある。「基本的にはショートで勝負したいけど、どこでも守れる。その準備もしてきたので、出られるところがあればどこでも出たいです」と厚い選手層に割って入る。

「チームの目標でもある日本一を目指さないといけないと思いますし、自分たちは日本一になるためにここに来た」。悲願の頂点へ、その歯車になる。【望月千草】