広島のドラフト2位森浦大輔投手(22=天理大)が、開幕1軍内定をもぎ取った。5回2死満塁のピンチで2番手で登板し、左封じで火消しに成功。プロ初の回またぎとなった6回は、勝負球のチェンジアップで連続の空振り三振を奪うなど、1回1/3を完璧に封じた。キャンプ中から実戦全7試合連続無失点。ルーキー左腕が、開幕から1軍の戦力として、セ界に猛威を振るう。

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森浦はピンチでも動じる様子をみせなかった。1点ビハインドの5回2死満塁のピンチの場面で、先発森下からバトンを受けた。打席に栗山を迎え、カウント2-1からの4球目、129キロスライダーで二ゴロに。左封じの役割を果たし、窮地を脱した。

「しっかり左打者を打ちとってアピールしたいと思っていた。いい場面で投げさせてもらえてよかった」

勝負球がさえた。6回先頭の外崎をスライダーで三ゴロに退けると、木村、若林には外角低めのストライクからボールゾーンになるチェンジアップで連続の空振り三振。「あんまり気にならなかった」と、プロ初の回またぎにも隙を見せず、淡々とアウトを重ねていった。持ち味のチェンジアップについては「決め球の1つとして使っていきたい」と手応えを口にした。

これでキャンプ中から中継ぎで実戦7試合に登板し、すべて無失点と好投を連発。満塁の場面での投入について佐々岡監督は「試してみたかった。森浦もああいう場面で抑えたのは自信になるだろう」とうなずいた。安定した投球を続ける左腕について指揮官は「ずっと良いものを出してくれている。当然」と開幕1軍を明言した。当面は左腕の切り札として、ワンポイントやロングリリーフとして起用される見込みだ。

投げる度に存在感を高め、目標としていた開幕1軍スタートを勝ち取った。「1試合1試合、必死に投げようと思っているので、まだ自信はあまりない」と控えめだが、「まずは与えられた場所で結果を残したい。そこから投げさせてもらえる場所が変わってくると思う」と、将来的な勝ちパターン入りを見据えた。切れ味鋭い多彩な変化球を武器に、3・26の開幕へ向け、ゼロを積み重ねていく。【古財稜明】

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