あるぞ、49年ぶりルーキー開幕クリーンアップ! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)が、プロ入り初の5番に座った。4打数無安打1四球と1発は出なかったが、「5番右翼」で公式戦デビューする可能性が浮上した。

ここまで7戦連続で6番起用が続いていたが、「5番右翼」で初先発。矢野監督は試合後に意図を明かした。「マルテも選球眼がいいからさ。ああいう出塁の後の流れの中で、トータルしたら5番でもいいのかなと思ったり」。佐藤輝を5番に置くことで、4番大山から右左右と「ジグザグ」で組める。「あいつの状態もね、もちろんいいし。そうなった方がいいかなと。今日もチャンスで回ってきたしね」と早くもポイントゲッターとしての働きを期待した。阪神の新人が開幕戦に主軸で先発すれば、72年の望月充以来となる。

佐藤輝はミスター超えのかかった一戦で、4打数無安打、3三振と沈黙。オリックス山本との同学年対決が注目されたが、初回は150キロ直球に押され、右飛に打ち取られた。3回1死二、三塁では、外角低め146キロフォークに空振り三振。開幕投手を相手にフルスイングを貫いたが、快音は響かなかった。守備でも6回2死一塁、佐野如の右翼に弾んだ打球を処理する際に、三塁ベースから大きくそれる悪送球で失策を記録。2死二、三塁とピンチを広げる場面もあった。それでも9回1死一、二塁の最終打席、漆原から冷静に四球を選び、3点目の好機をつくる意地は見せた。

3戦連発でストップ。ドラフト制後のオープン戦では新人最多となる6本塁打を放つ快進撃を見せてきたが、小休止となった。開幕まで残り2試合。58年のルーキー長嶋茂雄(巨人)がマークした7本塁打を超えるチャンスは残されている。【磯綾乃】