2年連続最下位からチームを引き上げる。ヤクルト小川泰弘投手(30)が、2年ぶり5度目の開幕投手を務める。何度も経験したマウンドではあるが、今年は違う。

昨季オフにFA宣言。12年ドラフト2位でヤクルトに入団してから8年間、1軍で投げ続けた。周りから自分がどう評価されているのか。純粋に気になってFA権を行使した。熱心なオファーに「本当にパ・リーグで環境を変えて戦っている自分もイメージしました」と結論を出しかけた。

頭に浮かんだのは、家族やヤクルトの仲間、お世話になった人たち。「今まで苦楽をともにした仲間ともう1度優勝して喜び合いたい」と残留を決めた。

高津監督に決意を伝えた際に、開幕投手の内定を言い渡された。エースとしてチームを引っ張ってほしいという期待の表れ。常に3月26日を意識してきた。

セットポジション時のグラブの位置を、昨年よりも上げる新フォームに取り組んだ。ランナーを一塁に置いたときの被打率改善へ、より力が入る方法を探し求めた。「変化していかないと残っていけない世界だと思う」。30歳として迎える9年目のシーズンも変化を恐れず、貪欲に取り組むエースの背中を見せてきた。

「勝ち切る難しさも知っている。そこをなんとか勝ち切れるように頑張っていきます」。覚悟を神宮のマウンドで体現する。【湯本勝大】

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