豪快なアーチだけではない。阪神佐藤輝明内野手は7回に左前へ軽打でプロ2安打目を放った。寺島の外角いっぱいの速球に強引にならずバットのヘッドをきれいに返し、左前へ。その後、初盗塁となる二盗も決めた。187センチ、94キロの大きな体の持ち主だが、意外にも手先が器用。兵庫・西宮市の実家に戻ると紙で折り鶴や箱をバランスよくササッと作り上げる。小さい頃からレゴブロックでもよく遊んでいた。

料理も得意。仁川学院の時からベビーカステラを作り、ギョーザの具をこねて丁寧に皮で包むなど3兄弟の長男として、母晶子さん(48)の料理の手伝いを進んでやった。冬に実家に戻った時には韓国風アメリカンドッグ「ハットグ」をレシピ動画を見ながら挑戦。晶子さんは「おいしくできたのか、うれしそうにビヨーンとチーズを伸ばして食べてましたよ」と笑って明かす。

器用さはノック時のグラブさばき、ハンドリングのうまさや、広角へ打てるバットコントロールなど、もちろん野球にも生かされている。この日の練習中は側転を披露。パワフルとしなやかさが同居している。

剛と柔。2つの顔が佐藤輝の魅力なのだ。【阪神担当=石橋隆雄】

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