超精密機械だ!! 楽天岸孝之投手(36)が、今季12球団一番乗りの完封勝利を飾った。9回を107球、8安打7奪三振無四球。打者34人に対し30人に初球ストライクという、驚異の初球ストライク率88%をマーク。打者全員を5球以内で終える省エネ投球で、楽天通算30勝目を挙げた。初登板初勝利を飾ったドラフト1位ルーキー早川もすごいが、投手陣最年長も今季初陣で真骨頂を発揮した。

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岸が面白いようにストライクを奪い続けた。常にカウント優位に投球を進め、7回まで二塁を踏ませぬ安定感。8回2死一、二塁の初めてのピンチも、2番マーティンを簡単に追い込むと、4球目に外角低めに114キロカーブを沈めて見逃し三振に仕留めた。「疲れたので、最後は真っすぐを打たれていたので、変化球にしようと思いました」と笑顔で振り返った。

3回までに初球アウトが5つ。相手の早打ちに対しても「いろいろ考えてボール先行になっても嫌なのでどんどん攻めていこうと思っていました」と初球からストライクを投げ続けた。「やっぱり四球ですよね。良くないときはそういうのがあるので。それがなかったのが良かったかな」と無四球に納得の表情。俊足選手の多いロッテ打線に対し、先頭打者に出塁を許したのも9回の1度だけ。「足の速い走者を出すことなく、ちゃんと打者に集中していけたのは良かったと思います」と振り返った。ベテランの好投に石井GM兼監督も「オープン戦からずっと状態も良く、週頭を任せたんですけど、期待通りのピッチング。年齢も重ねてきましたけど、真っすぐも変化球もキレが抜群で頼もしい」とうなずいた。

17年に西武から移籍し、見事な完封で楽天通算30勝目を飾った。東北出身の右腕は「まだまだ皆さんに喜んでもらいたいなと思っているのでもっともっと勝てるように頑張りたいと思います」。精密機械のような制球力で白星を積み重ねていく。【鈴木正章】

▼岸の完封は昨年10月15日ロッテ戦以来18度目。現役の完封数は金子(日本ハム)の21度が最多で、18度は松坂(西武)田中将(楽天)に並び3位タイとなった。岸は18完封のうち5完封がZOZOマリンのロッテ戦。同球場の最多完封は成瀬(オリックス)の7度で、5度以上は8人目だが、岸を除いた7人はロッテでプレー。ロッテに在籍しないでZOZOマリン5完封は岸しかいない。

▽楽天茂木(6回に試合を決定付ける1号3ラン)「岸さんが素晴らしいピッチングをしてくれていますからね。いい流れで打たせてもらったホームランです。ありがとうございます」

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